最新記事
シリーズ日本再発見

きものに今年こそ挑戦! 「宝尽くし」「亀甲つなぎ」...お正月にふさわしい柄とは? 基礎知識を解説

2024年01月01日(月)09時00分
原由美子(スタイリスト)

宝尽くし──日本の美意識が結集した、贅沢で楽しい宝尽くし。


宝尽くしの柄のひとつ七宝は文字通り、七つの宝、金、銀、ラピスラズリなどを指します。振ると願いが叶う魔法の小槌。富の象徴の巾着袋。細長い三角の文様化された植物は、現代ではクローブとして知られる丁子で、平安初期には貴重な品として珍重され、健康や長寿を願う品でした。

それらをこのように魅力ある文様に仕立て上げてきた昔の人の美意識を上手にきものにも取り入れて楽しみたいもの。上等の袋帯を留袖や訪問着に締めると、吉祥文様の王道をいく楽しみを味わえますし、細かな江戸小紋なら季節を問わず気軽に、帯により、その場にふさわしく祝い心を装えます。


5-2400-20231215.jpg


左=宝尽くし文様の京友禅小紋+狂言丸文の袋帯

濃紺の地に比較的大きな宝尽くし模様、さらに蓑笠が疋田で大きく流れるように表現され、華やかさを添えている小紋。これほど大柄、しかもおめでたい柄行なので、袋帯を締めれば訪問着に近い格の装いに。友人の結婚式のような場で着席しても、引き締まった華やかさが印象的な装いになります。

右=亀甲つなぎの小紋+宝尽くしの染め帯

亀甲のなかに金色で細かく四季の植物が表現されている無地感覚の小紋は、四季を通じての少し改まった席に着たいきものです。宝尽くしの染め帯ならお正月気分でさらに華やかになります。白っぽい紬や抑えた色の江戸小紋に締めると、落ち着いたお洒落着として。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン氏の5月支持率、約2年ぶり低水準 経済問題

ビジネス

ユーロ圏のインフレ制御に「本当に自信」=ECB総裁

ビジネス

英シェル株主総会、投資家グループ提案の気候変動対策

ビジネス

米家計、インフレになお苦悩 物価圧力緩和でも=FR
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル写真」が拡散、高校生ばなれした「美しさ」だと話題に

  • 4

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 5

    「目を閉じれば雨の音...」テントにたかる「害虫」の…

  • 6

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 7

    高速鉄道熱に沸くアメリカ、先行する中国を追う──新…

  • 8

    中国・ロシアのスパイとして法廷に立つ「愛国者」──…

  • 9

    「韓国は詐欺大国」の事情とは

  • 10

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 10

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中