コラム

IMF「内政干渉」は不気味な前触れ?

2010年05月20日(木)22時45分

 IMF(国際通貨基金)は19日、日本政府は「2011年度には財政再建を開始し、消費税を徐々に引き上げていく必要がある」との声明を発表した。経済学者の池田信夫氏によると、このような内政干渉とも受け取られかねない提言をIMFが先進国に対して行なうのは異例だという。

 IMFの内政干渉といえば、ニューズウィーク日本版4月14日号「世界経済超入門」に掲載した近未来ショートショート「吾輩はデジタル猫である」を思い出す。財政破綻をテーマに日本経済専門家のピーター・タスカ氏に書いてもらった作品だ。その中で、IMFの後継機関「GMF」が日本に経済政策を強制するくだりがある。今回のIMFの提言はその前触れのような気がして、ちょっと不気味だ。

「吾輩はデジタル猫である」は示唆に富む楽しい読み物なので、まだ読んでいない方は図書館でぜひご一読を。なお「世界経済超入門」は、昨年11月4日号「経済学超入門」の特集と合わせて1冊の本になった。

──編集部・山際博士


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