コラム

のちの巨匠2人が組んだ脱獄映画『ミッドナイト・エクスプレス』は成長なき物語

2025年03月07日(金)11時30分

一応は史実をベースにした映画だが、かなり脚色があることに加え、あまりにもトルコを悪しざまに描いたということで、後にストーンは謝罪したという。補足としてはもう1つ。悪役を演じたポール・L・スミスや受刑者の1人を演じたランディ・クエイドなど俳優たちが素晴らしい。特にドラッグ漬けでネコ好きのマックスを演じたジョン・ハートの演技はすごい。でも後に『エイリアン』や『エレファント・マン』で話題となる彼も、この時期はまだ無名に近い存在だった。

結論。ビリーは成長しなかった。でも映画の関係者は成長した。安易だけど今回はそう締める。


newsweekjp_20250227103418.jpgミッドナイト・エクスプレス
(1978年)
監督/アラン・パーカー
出演/ブラッド・デービス、アイリーン・ミラクル、ランディ・クエイド、ジョン・ハート

<本誌2025年3月11日号掲載>

プロフィール

森達也

映画監督、作家。明治大学特任教授。主な作品にオウム真理教信者のドキュメンタリー映画『A』や『FAKE』『i−新聞記者ドキュメント−』がある。著書も『A3』『死刑』など多数。

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