コラム

イタリアの輸出が絶好調...「追い抜かれた日本」が絶対に見習うべき「ただ1つのポイント」

2026年03月19日(木)18時10分

イタリアには価格が変わっても販売量が変化しない製品が

一方、市場には価格が変わっても販売量があまり変化しない製品もある。代表的なのは高級ブランドなどの嗜好品である。こうした製品は価格が少し上がったからといって、顧客が一気に購買をためらうということはない。

イタリアの場合、プラダに代表されるようなブランド品を多くアメリカに輸出しており、高級ワインや高級家具などにも強みがある。アメリカ経済は関税の影響が出始めているものの、株価の高騰が続いたこともあり、むしろ富裕層は購買力を高めている。こうした状況では高級品へのニーズはそう簡単に減少しない。


価格の変化にどれだけ耐性があるのかは、輸出製品の単価推移を見れば一目瞭然である。ドイツ、日本、イタリアの過去10年の輸出単価を比較すると、日本は横ばいだが、イタリアやドイツは1.5~1.6倍に上昇しており、とりわけ近年のイタリアはその傾向が顕著である。

日本はとかく輸出に関して為替の議論ばかりしているが、輸出の多寡を決めるのは製品の付加価値であり、それは単価に表れる。製品単価が下がっているということは、値引きしなければ売れないことと同義であり、ここに日本の輸出が低迷している最大の理由がある。

日本が輸出大国の地位を維持したければ、iPhoneに代表されるような、相手がどうしても欲しがる製品を提供していく必要がある。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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