コラム

「過去最高」にまで膨れ上がった世界全体の債務残高...一体、どれだけ「危険」な状況なのか?

2026年03月12日(木)12時01分
世界全体の債務残高が過去最高を更新

PLA2NA/SHUTTERSTOCK

<経済学的に考えると債務残高が増えたことそのものは単なる数字の変化にすぎず、それ自体に深い意味はないが、現在の世界経済についてはそうとも言えない事情が>

全世界レベルで債務残高が伸びている。今回の債務増大は政府部門による影響が大きく、将来的なインフレリスクがさらに高まった可能性が考えられる。

国際金融協会(IIF)は2026年2月25日、全世界における25年末の債務残高が前年比で29兆ドル増の348兆ドル(約5京4000兆円)と過去最高を更新したと発表した。同団体はコロナ危機以降、最も速いペースだと指摘している。


このニュースに対する世論の反応を大別すると「債務が増えたことの意味、そのものがよく分からない」「経済が成長すれば債務も増えるのだから何も問題はない」「債務の増大は今後の経済リスクになる」という3つに集約される。

特に日本の場合、政府債務増加による財政リスクが高まっていることもあり、当該論点と結び付いた形で、多少、感情的に受け止められている面があるかもしれない。

経済学的に考えた場合、債務残高が増えたことそのものは、単なる数字の変化にすぎず、それ自体に深い意味はない。だが経済成長のペースに対して、どの程度、債務が増えたのか、もしくは債務残高増加が主にどのセクターによってもたらされたのかによって、リスク要因として見なされるケースが出てくることになる。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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