【銘柄】キリンか、アサヒか...酒税一本化で変革迫られるビール業界で、3月の勝ち組は?
ビールだけではない「キリン」の優位性
サイバー攻撃の後遺症を引きずる王者アサヒに対し、キリンホールディングスは一段踏み込んだ布石を打っています。
まずは「本麒麟」(第3のビール)をビールに格上げし、価格を抑えたビールとして再配置すると同時に、主力の「一番搾り」との棲み分けを図ります。ビールの中に価格帯による差をあえて設け、税制改正後の消費者の需要転換を囲い込む設計です。
さらに、キリンの強みはビールの戦略にとどまりません。
ヘルスサイエンス事業を第三の柱に育て、「ビール会社から健康志向の会社へ」という変革を進めています。酒類事業、ヘルスサイエンス&飲料事業、医薬事業という3つのコア事業で構成されるポートフォリオは、成熟市場における安定性を高めます。
業績面でも回復は鮮明です。2024年12月期はファンケル買収に伴う一時的な費用計上で最終利益が落ち込みましたが、2025年12月期の最終利益は前期比2.5倍の1475億円に急拡大。今期(2026年12月期)も1560億円と増益が見込まれています。
これは、単なる反動増ではなく構造改革後の収益力が数字として表れ始めた、と見ることができます。この業績好調を受け、株価も上昇トレンドに入っています。

キリンと3月相場は好相性。高勝率の要因は?
そんなキリンホールディングスは、実は3月相場との相性が良いことで知られています。過去10年の3月は9勝1敗。ちなみに、アサヒも8勝と健闘しています。

3月は、12月決算銘柄の決算発表を終えて、業績見通しや配当方針が出揃うタイミング。と同時に、日本の機関投資家にとっては年度末に当たるため、ポジション調整が進み、安定的な収益や配当を重視した銘柄に資金が向かいやすくなるのです。
キリンはDOE(株主資本配当率)5%以上を目安に「原則として累進配当を行う」という方針を掲げています。今期は1株76円への増配を予定しており、株主還元への姿勢は明確です。特に守りが評価される局面では、こうした方針が存在感を発揮し、株価の下支え要因となります。
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