政府内に省エネ呼びかけ案、エコ運転など「ナッジ手法」 効果疑問視する声も
2015年6月、東京で撮影(2026年 ロイター/Thomas Peter)
Tamiyuki Kihara
[東京 3日 ロイター] - イラン情勢の混迷を受けたエネルギー不足の懸念を念頭に、日本政府内にエコ運転の推進など省エネへの取り組みを国民や事業者に呼びかける案が浮上していることが分かった。実現すれば、これまで行動抑制の呼びかけを避けてきた高市早苗政権の方針転換となる。ただ、あくまで国民生活に影響を与えないことを重視し、強制力を伴わない「ナッジ(後押し)手法」にとどまる方向で、政府内には効果を疑問視する声がある。
事情に詳しい政府関係者が明らかにした。浮上している具体案は、「エコドライブの推進」として急ブレーキ回避のため車間距離を十分に設けることや、不要な荷物を積まないことなど。また、自転車の利用促進や風呂を沸かす回数を減らすなど、日々の生活で取り組める省エネ手法も提示する。
国民生活に影響を与えないよう「ナッジ手法を活用する」とし、直接的な利用制限には踏み込まない方針だ。政府がこれまでエネルギーについて「直ちに不足することはない」と発信していた経緯も踏まえ、イラン情勢の混迷との結びつきは強調せず、あくまで緩やかな省エネの呼びかけにとどまる見通しで、政府内には「イラン情勢が見通せない中、エコドライブなどでどれだけの効果があるのか疑問だ」との声もある。
高市氏は2日の国会で「あらゆる可能性を排除せず、臨機応変に対応する」と答弁。赤沢亮正経済産業相も3日、「現状では我が国の石油需給に影響が生じているとは認識していない」とする一方、「今後の国際的な需給や価格動向も踏まえつつ、国民経済に大きな影響がない形で需給サイドでの対策を含めてあらゆる政策オプションを検討したい」などと述べていた。エコ運転呼びかけなどの検討状況について経産省にコメントを求めたところ、「大臣の発言がすべて」と回答した。
(鬼原民幸 編集:久保信博)





