ブラックロックCEO、AIブームが貧富の格差を拡大と警告
写真は米ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)。3月11日、ワシントンで撮影。 REUTERS/Kylie Cooper
Manya Saini
[23日 ロイター] - 世界最大の資産運用会社である米ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は23日、人工知能(AI)ブームについてより多くの個人が市場の利益を享受しなければ、貧富の格差を拡大させる恐れがあると警告した。
米オープンAIの生成AIモデル「チャットGPT」が2022年11月に登場して以来、米株式市場の上昇はAIブームの中心にある企業によってけん引されている。このことは利益を得る層がより限定的になっていることを示唆している。
フィンク氏は株主に対する年次書簡で「過去数世代にわたって生み出されたばく大な富は主に、既に金融資産を保有していた人々の手に流れた」とした上で、「今AIはそのパターンをさらに大規模な形で繰り返す恐れがある」と警鐘を鳴らした。
個人投資家の市場参入は近年増えてきたものの、特に株式や資産形成につながる他の資産への参加者は依然限られる。
フィンク氏は資本市場が果たす役割と、長期投資の重要性を強調して「歴史が示すように、変革をもたらす技術はばく大な価値を生み出す。そして、その価値の大部分はそれらを構築し展開する企業や、それらを保有する投資家に還元される」と言及した。
AIは「定着するものだ」とし、米国と中国が戦略的な競争を繰り広げる主要分野であり続けるとして、「米国はAIでのリーダーシップが必須であり、研究やインフラ、人材、そして大規模なイノベーション(技術革新)に資金を提供できる資本市場への持続的な投資が必要であることを明らかに認識している」と語る。「一つ明らかなのは、AIが著しい経済的価値を生み出すということだ。成長への参加機会を成長と歩調を合わせて拡大させていくことが課題であり、機会でもある」と訴えた。
フィンク氏は、米国とイスラエルによるイラン攻撃がもたらした原油価格高騰、海運ルート遮断によって市場が大きく揺れ動いている中でも、投資を続けることを顧客に促して、「長期的には、投資を続ける方がタイミングを正確に計ることよりもはるかに重要だ。過去20年間にS&P500種株価指数に投資された1ドルは8倍超に膨らんだ」と強調した。
さらにフィンク氏は「私たちは今、かつてならば10年を象徴するような出来事が日常となった時代を生きている。世界に影響を与える戦闘、時価総額1兆ドル規模の企業群、国際貿易の根本的な再編、そして少なくともコンピューター以来、最も重要な技術の登場などだ」と例示。その上で「市場が最も好調だった日のいくつかは、最も不安をあおるニュースが飛び交う中で訪れた。危険なのは雑音にばかり注目し過ぎて、本当に重要なことを忘れてしまうことだ」との見解を示した。





