中国オープンソース、米AI優位の脅威に 米議会諮問機関が報告書
中国・上海で開催された世界人工知能会議(World Artificial Intelligence Conference)。2022年9月撮影。REUTERS/Aly Song
[北京 23日 ロイター] - 米議会の諮問機関、米中経済安全保障調査委員会は23日、中国が手がけるオープンソースの人工知能(AI)の性能が向上しており、優位性を持つ米AI関連企業に肩を並べかねないとする報告書を公表した。米国のAIスタートアップの約8割が中国のオープンソースAIモデルを使用しているとの推計もある。報告書は「オープンモデルの普及がAIのけん引役としての新たな道筋を生み出すことになる」と指摘した。
中国政府は、製造業や物流、ロボット工学の高度化に向け幅広い分野でAI活用を推進。それがモデルの改良につながっているという。最先端AI半導体入手が制限されているにもかかわらず、開かれた環境により「西側諸国のトップクラスの大規模言語モデルとの格差を縮めている」と言及した。
中国新興企業ディープシークが2025年にリリースしたR1モデルは、「アップストア」でのダウンロード数が米オープンAIの「チャットGPT」を既に超えている。中国電子商取引(EC)大手アリババのAIモデル「Qwen(通義千問)」が世界累計ダウンロード数で米メタの「Llama」を上回っているとのデータもある。いずれも、より安価な価格設定が普及につながっている。
一方、オープンAIや米新興のアンソロピック、既存の米IT大手各社は、技術の優位性を確保するために数十億ドルを投資している。
報告書は、AIの最前線が大規模言語モデルから移行する中、中国が人型ロボットや自律運転ソフトウエア、さらには軍民両用技術を開発する上で、より有利な立場で活用できる可能性があると指摘した。マイケル・クイケン副委員長はロイターに、最先端分野の一部では米中の展開にわずかな開きがあり、それが拡大していくとの見方を示した。
米議会は22年以降、中国に最先端のAI半導体の輸出規制を課している。ただ米政府は昨年12月、米半導体大手エヌビディア製のそれに次ぐ性能を持つ製品の輸出を認めた。





