ＩＭＦ、中国に構造改革の加速要請 成長予測引き上げ

写真は上海の高層ビル群の夜景。11月4日、上海で撮影。REUTERS/Maxim Shemetov

［北京　１０日　ロイター］ - 国際通貨基金（ＩＭＦ）は１０日、中国に対し構造改革を加速するよう求めた。同国を巡っては、消費主導の成長モデルへの転換や、債務依存の投資と輸出の抑制を求める国際的な圧力が高まっている。

ＩＭＦは定期的な対中経済審査の終了に合わせて発表した声明で「中国の経済規模の大きさと、世界的な貿易摩擦の高まりを踏まえると、強固な成長を持続させるための輸出依存は持続可能性が低下している」と指摘。

「中国にとって重要な政策上の優先課題は、輸出と投資への過度の依存から脱却し、消費主導の成長モデルに移行することだ」とし「この移行には、より緊急かつ強力な拡張的マクロ経済政策、高水準の家計貯蓄を減らす改革、非効率的な投資と正当化できない産業政策支援の縮小が必要だ」と述べた。

「中国経済は近年、数々のショックにもかかわらず、顕著な回復力を示している」とも指摘した。トランプ米大統領や米中関税戦争への直接の言及はなかった。

ＩＭＦは、２５年の中国の経済成長率予測を４．８％から５．０％に上方修正したが、不動産セクターの低迷、地方政府の債務、内需の低迷が引き続き政策上の課題になると警告した。２６年の経済成長率予測は４．２％から４．５％に引き上げた。

「マクロ経済政策による支援に加えて、社会保障制度の強化と不動産セクターの調整の支援に向けた改革をさらに推進する必要がある」とも指摘した。