石油価格、過剰な生産能力が制裁の影響を限定=IEA事務局長
10月28日、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長(写真)は、石油輸出国に対する制裁は原油価格を押し上げる可能性があるが、余剰生産能力のため影響は限定的との考えを示した。2023年12月、パリで撮影(2025年 ロイター/Sarah Meyssonnier)
Florence Tan Siyi Liu
[シンガポール 28日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は28日、石油輸出国に対する制裁は原油価格を押し上げる可能性があるが、余剰生産能力のため影響は限定的との考えを示した。
米政権は先週、ウクライナ戦争終結に向けたロシアへの圧力としてロシアのロスネフチ とルクオイルへの制裁を発表。これを受けて原油価格は7%上昇し、北海ブレント先物は1バレル=65ドルを付けた。
シンガポール国際エネルギー週間に出席しているビロル氏は記者団に、制裁が価格を押し上げる可能性はあるが、膨大な余剰生産能力のために原油相場は60ドル前後の水準にとどまっており、その影響は限定的だと指摘。
「中東、ロシア、ウクライナ、貿易戦争など世界中で多くの政治的緊張があるにもかかわらず、原油価格は60ドル付近の水準にとどまっている。石油・ガス市場は、大きな地政学的緊張がなければ価格が下がるという非常に明確な時期に入るだろう」と語った。





