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パレスチナ支持の学生、米地裁判事が保釈命令 「赤狩りに類似」

2025年05月01日(木)13時17分

 米東部バーモント州の連邦地裁は30日、パレスチナ支持の抗議活動への参加を理由に拘束されたコロンビア大学の学生の保釈を命じた。写真は学生の釈放を求めるデモ隊、ニューヨークで4月撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)

Luc Cohen

[30日 ロイター] - 米東部バーモント州の連邦地裁は30日、パレスチナ支持の抗議活動への参加を理由に拘束されたコロンビア大学の学生の保釈を命じた。トランプ政権による国外追放措置に対し、異議を申し立てる権利があるとの判断を示した。

保釈されたのはモーセン・マダウィさんで、4月初旬に米国市民権申請に関する面接のために出頭した際に移民・税関捜査局(ICE)に拘束された。

クロフォード判事は、マダウィさんが公衆に危害を与えたり、逃亡したりする恐れはないと指摘した。また、現在の政治状況は、数千人の人々が政治的見解を理由に国外追放の標的とされた「赤狩り」とマッカーシズムの時代と類似している点にも言及した。

同判事はパレスチナ自治区ガザでの紛争の平和的解決を主張する権利をマダウィさんは行使したに過ぎないとの判断を示し、市民権を持たない居住者であっても憲法修正第1条に基づく言論の自由を有すると指摘した。

マダウィさんはいかなる犯罪でも起訴されていない。ルビオ国務長官は、同氏のパレスチナ支持活動が中東和平プロセスを損なう可能性があると述べている。

マダウィさんは裁判所前で数十人の支持者に対し、「私が拘束されたのは、声を上げて戦争にノー、平和にイエスと言ったからだ」と述べた。判決について、「これは希望の光だ。米国の司法制度に対する希望と信頼の証だ」と述べた。

一方、国土安全保障省のマクラフリン報道官は声明で、マダウィ氏が永住権を得て米国内で学ぶ「特権」は剥奪されるべきとの見解を示した。

「暴力を擁護し、米国人の殺害を喜ぶテロリストを称賛・支持し、ユダヤ人に嫌がらせをするなら、この特権は取り消されるべきであり、この国にいるべきではない」と述べた。「この裁判官も、他の裁判官も、われわれの行動を阻止することはできない」と主張した。

ロイター
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