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相互関税「4月2日発動方針維持」、財務長官発言受けホワイトハウス

2025年03月19日(水)10時19分

 3月18日、米ホワイトハウス当局者は、トランプ大統領が依然として4月2日に相互関税を発動する方針だと述べた。ホワイトハウスで2019年11月撮影(2025年 ロイター/Yara Nardi)

Andrea Shalal David Lawder

[ワシントン 18日 ロイター] - 米ホワイトハウス当局者は18日、トランプ大統領が依然として4月2日に相互関税を発動する方針だと述べた。ベッセント財務長官は先に、発動が延期される可能性を示唆していた。

同当局者は、各国が自国の貿易障壁を削減することで関税引き上げを回避する機会を得るとしたベッセント氏の発言について説明を求められ、「4月2日に関税を発効させる意向だ」と言明。「関税・非関税障壁が均衡化されるか、あるいは米国の関税の方が高くならない限り、(相互)関税は発動される」と述べた。

ベッセント長官は18日、FOXビジネス・ネットワークのインタビューで、トランプ政権は4月2日に貿易相手国に対し、各国の税率や非関税貿易障壁などの要素を反映した関税率案を提示すると述べる一方、「関税の壁」を回避するための交渉の機会を与えるとの考えも示した。

同長官は貿易相手国が非関税障壁や為替操作、不当な補助金提供などをやめれば、関税の壁を作らないと言うつもりだとした上で、「4月2日の時点で、事前に取引が交渉されているか、あるいは、各国が相互関税率を提示され、直ちにわれわれとの引き下げ交渉を望むことで、一部の関税は発動しなくて済むかもしれないと楽観している」と述べた。

同氏の発言は関税案が4月2日に発表されるものの、交渉の時間を確保するため導入は遅れる可能性があると受け止められた。

だがホワイトハウス当局者は、新たな関税を回避するためには、いかなる取引も事前に交渉する必要があると述べた。

<詳細なお検討中か>

こうした相反する発言は、発動まで2週間となった相互関税計画がなお発展途上にあることを浮き彫りにしている。

ある政権当局者によると、計画の詳細はまだ検討中で、技術的な作業の多くは米通商代表部(USTR)が主導している。バンス副大統領もここ数週間、積極的な役割を果たしているという。

関係筋によると、世界税関機構(WCO)の加盟186カ国がそれぞれ異なる関税率を適用していることから、USTRは相互関税の設計に苦慮している。非関税障壁を反映させるというトランプ氏の方針も、関税率算出を複雑にしている。

当局者によると、トランプ政権は関税発表によって、影響を受ける国が自国の関税・非関税障壁引き下げを申し出ると予想している。インドは既に先手を打とうとしているという。

ベッセント氏は、米国との貿易が多く、関税が最も高い15%の国々を「ダーティー15」と呼び、特に焦点を当てていると述べた。これらの国は米国製品の締め出しにつながる国産品規定や食品安全規制を設けていることが多いとも指摘した。

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