ニュース速報
ワールド

鉄鋼・アルミ関税、米油田サービスのコスト増に直結 専門家警告

2025年03月13日(木)14時45分

3月12日、米政権は貿易相手国に対する25%の鉄鋼・アルミニウム関税を発効させた。専門家らはロイターに対し、これらの金属に依存する米油田サービス企業にとって、コスト上昇に直結すると語った。米最大の油田であるパーミアン盆地で2023年3月撮影(2025年 ロイター/Bing Guan)

Vallari Srivastava

[12日 ロイター] - 米政権は12日、貿易相手国に対する25%の鉄鋼・アルミニウム関税を発効させた。専門家らはロイターに対し、これらの金属に依存する米油田サービス企業にとって、コスト上昇に直結すると語った。

鉄鋼は、掘削リグやパイプライン、精製所、貯蔵タンクまであらゆるものに不可欠。石油・ガス生産業者に機器やサービスを提供するパターソンUTIのアンディ・ヘンドリックス最高経営責任者(CEO)は「当社が調達する物品の約14%は関税の影響を受ける国からのものだ。関税が上乗せされればコストは跳ね上がる」と述べた。

ウッド・マッケンジーのアナリスト、ネイサン・ネメス氏によると、米は2024年、OCTG(油井管)の40%近くを輸入に依存。今年1月時点でカナダとメキシコが輸入元の16%を占めた。リスタッド・エナジーは、関税の影響でOCTGの価格は前年比15%上昇するとみる。

エンベラスのアナリスト、マーク・チャップマン氏は「25年には油田サービス企業が価格を維持することは難しくなる」と述べた。コストは、探鉱・生産部門で事業を営む顧客、特にスポット価格の影響を受けやすい小規模業者に転嫁されることになる。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中