ニュース速報
ワールド

米国防長官候補、民主の厳しい質問乗り切る 指名公聴会

2025年01月15日(水)11時37分

米上院で14日、トランプ次期大統領の閣僚人事の指名承認手続きが始まり、国防長官に指名されたピート・ヘグゼス氏(44)(写真)が公聴会に臨んだ。同日撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)

Phil Stewart Idrees Ali Patricia Zengerle

[ワシントン 14日 ロイター] - 米上院で14日、トランプ次期大統領の閣僚人事の指名承認手続きが始まり、国防長官に指名されたピート・ヘグセス氏(44)が公聴会に臨んだ。

4時間に及ぶ公聴会では、経験不足や過度な飲酒の疑惑、女性の戦闘参加への反対などさまざまな問題を巡り民主党から厳しい質問を浴びたが、共和党議員の反発を招くような大きな失言はなく、共和で影響力を持つアーンスト上院議員の支持も獲得した。

元FOXニュース司会者で退役軍人のヘグセス氏を巡っては、性的暴行疑惑のほか、業務中の飲酒などの不品行疑惑が取り沙汰されている。また、政府関連の要職経験はなく、女性が戦闘任務に就くことに強く反対するなど、物議を醸している。  

ヘグセス氏は国防長官に就任した場合、米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長を解任するかとの質問に対し、幅広いレビューを行うとして可能性を否定しなかった。「全ての軍高官が能力主義や資質、戦闘能力、命令への献身に基づいて審査される」と述べた。

ジリブランド上院議員(民主党)はヘグセス氏の女性に関する過去の発言を厳しく批判し、米軍の18%を占める女性について根本的に見方を変える必要があると迫った。

ヘグセス氏は退役軍人であるアーンスト氏に対し、「基準が依然として高い」ことを踏まえ、女性の戦闘参加を支持すると述べ、これまでの反対姿勢を後退させた。

民主党はヘグセス氏の外交政策に関する知識や組織運営経験の不足も問題視した。

上院軍事委員会の有力メンバーであるリード議員(民主党)は、国防省を率いるのに十分な「人格や落ち着きがあるとは思えない」と批判した。

一方、同委を率いるウィッカー議員(共和党)は「今回の指名は型破り」としつつも、ヘグセス氏が「自身の行動を巡り不十分な点があったことを認めている」とし、支持を表明した。

承認は僅差になる可能性が高い。共和党はここ数週間、ヘグセス氏への支持を固めてきた。ただ、上院の与野党議席差が小さいため、民主党と無所属が反対で結束した場合、共和党からの反対は3人までしか許されない。

アーンスト氏は承認に反対したり、他の議員にも反対するよう説得する可能性があるとみられていたが、公聴会終了後、ヘグセス氏を支持する考えを示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国軍が台湾周辺で実弾射撃訓練、封鎖想定 過去最大

ビジネス

中国、来年の消費財下取りに89億ドル割り当て スマ

ワールド

カンボジアとの停戦維持、合意違反でタイは兵士解放を

ワールド

韓国大統領、1月4ー7日に訪中 習主席とサプライチ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 6
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 7
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中