米国防長官候補、民主の厳しい質問乗り切る 指名公聴会

米上院で14日、トランプ次期大統領の閣僚人事の指名承認手続きが始まり、国防長官に指名されたピート・ヘグゼス氏(44)(写真)が公聴会に臨んだ。同日撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
Phil Stewart Idrees Ali Patricia Zengerle
[ワシントン 14日 ロイター] - 米上院で14日、トランプ次期大統領の閣僚人事の指名承認手続きが始まり、国防長官に指名されたピート・ヘグセス氏(44)が公聴会に臨んだ。
4時間に及ぶ公聴会では、経験不足や過度な飲酒の疑惑、女性の戦闘参加への反対などさまざまな問題を巡り民主党から厳しい質問を浴びたが、共和党議員の反発を招くような大きな失言はなく、共和で影響力を持つアーンスト上院議員の支持も獲得した。
元FOXニュース司会者で退役軍人のヘグセス氏を巡っては、性的暴行疑惑のほか、業務中の飲酒などの不品行疑惑が取り沙汰されている。また、政府関連の要職経験はなく、女性が戦闘任務に就くことに強く反対するなど、物議を醸している。
ヘグセス氏は国防長官に就任した場合、米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長を解任するかとの質問に対し、幅広いレビューを行うとして可能性を否定しなかった。「全ての軍高官が能力主義や資質、戦闘能力、命令への献身に基づいて審査される」と述べた。
ジリブランド上院議員(民主党)はヘグセス氏の女性に関する過去の発言を厳しく批判し、米軍の18%を占める女性について根本的に見方を変える必要があると迫った。
ヘグセス氏は退役軍人であるアーンスト氏に対し、「基準が依然として高い」ことを踏まえ、女性の戦闘参加を支持すると述べ、これまでの反対姿勢を後退させた。
民主党はヘグセス氏の外交政策に関する知識や組織運営経験の不足も問題視した。
上院軍事委員会の有力メンバーであるリード議員(民主党)は、国防省を率いるのに十分な「人格や落ち着きがあるとは思えない」と批判した。
一方、同委を率いるウィッカー議員(共和党)は「今回の指名は型破り」としつつも、ヘグセス氏が「自身の行動を巡り不十分な点があったことを認めている」とし、支持を表明した。
承認は僅差になる可能性が高い。共和党はここ数週間、ヘグセス氏への支持を固めてきた。ただ、上院の与野党議席差が小さいため、民主党と無所属が反対で結束した場合、共和党からの反対は3人までしか許されない。
アーンスト氏は承認に反対したり、他の議員にも反対するよう説得する可能性があるとみられていたが、公聴会終了後、ヘグセス氏を支持する考えを示した。
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