ニュース速報
ワールド

BYDの外注先、ブラジルの「奴隷労働」否定

2024年12月26日(木)19時39分

中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)の外注先である金匠集団は26日、従業員が「奴隷のような状況」で作業を行っているとブラジル労働検察庁から指摘されたことについて、事実と異なると主張、翻訳や文化の違いを巡る問題があったとの認識を示した。BYDのタイ工場で7月撮影。(2024年 ロイター/Chalinee Thirasupa/File Photo)

[上海/北京 26日 ロイター] - 中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)の外注先である金匠集団は26日、従業員が「奴隷のような状況」で作業を行っているとブラジル労働検察庁から指摘されたことについて、事実と異なると主張、翻訳や文化の違いを巡る問題があったとの認識を示した。

ブラジル労働検察庁は23日の会見で、BYDがブラジル北東部バイア州で保有する工場の建設現場で、中国人労働者163人が「奴隷のような状況」で作業を行っていることが判明したと発表。BYDは、雇用した企業との関係はすでに断っており、当局と協力して労働者に支援を提供しているとの声明を発表していた。

金匠集団はこれについて「従業員は『奴隷』という不当なレッテルを貼られたことで、自らの尊厳が損なわれ、人権が侵害されたと感じている。中国人の尊厳が著しく傷つけられた」と短文投稿サイトの「微博」に投稿。

BYDのブランド・広報部門責任者、李雲飛氏も、この投稿を再投稿し、「外国勢力」と一部の中国メディアが「意図的に中国ブランドと国を中傷し、中国とブラジルの関係を損なっている」と非難した。

金匠集団は、翻訳や文化の違いを巡る問題でこのような事態に至ったと説明。労働検査官からの「誘導尋問」もあったと主張した。

また、従業員のグループが連名で署名した文書をカメラの前で読み上げる動画も投稿。従業員107人がブラジルで臨時の身分証明書を申請するためパスポートを会社に渡していたが、ブラジル労働検察庁は雇用主がパスポートを没収したと報告したという。

動画では、中国人の男性従業員が「ここで仕事ができて本当に幸せだ。ブラジル最大の新エネルギー車プロジェクトの建設が一日も早く完成することを願い、私たちは法令を順守し、期間中懸命に働いている」と語っている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米はテック規制見直し要求、EUは鉄鋼関税引き下げ 

ビジネス

ウォラーFRB理事、12月利下げを支持 1月は「デ

ワールド

トランプ氏、オバマケア補助金の2年間延長を検討=報

ワールド

元FBI長官とNY司法長官起訴、米地裁が無効と判断
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中