ニュース速報
ワールド

スペインの洪水死者95人に、近代史上最悪の被害か 農作物に打撃

2024年10月31日(木)11時47分

スペイン東部バレンシア州で豪雨による洪水が発生し、少なくとも72人が死亡した。同日撮影(2024年 ロイター/Eva Manez)

[ラ・アルクディア(スペイン) 30日 ロイター] - スペイン東部バレンシア州を中心に発生した豪雨による洪水の死者が少なくとも95人に上ったと、地元当局が30日明らかにした。スペイン近代史上最悪の洪水被害になるとみられる。

29日から大雨が続き、気象学者らによると、一部地域では8時間に1年分の降水量に達するなどの集中豪雨となった。

建物や橋が流され、農地が水没するなどの被害が出ているほか、ソーシャルメディアに投稿された動画や上空から撮影された映像には、流されないように木に登る人々の姿や、倒壊した橋、車やトラックが高速道路に積み重なっている様子が映っている。

サンチェス首相は、破壊されたインフラを再建すると表明し、テレビ演説で行方不明者の家族に見舞いの言葉を述べた。

マドリード、バルセロナ両市行きの列車が運休となり、被害が大きい地域では学校や生活に必要なサービスが停止された。

電力大手イベルドローラ傘下のi-DEによると、バレンシアで約15万人が停電に見舞われている。

バレンシア以外の南部アンダルシア自治州を含む地域でも洪水が発生しており、悪天候が当面続くとの予報が出ている。

バレンシア州で少なくとも92人、他の地域で3人が死亡。スペインの洪水被害としては87人が死亡した1996年の洪水を上回り近代史上最悪になるとみられる。欧州全体では、2021年に少なくとも185人が死亡したドイツの洪水以来の被害規模となる。

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、欧州として支援する用意があるとXに投稿。

スペインの農業協同組合ASAJAは29日、農作物に大きな被害が出る見込みとした。地元研究機関によると、バレンシアはスペインの主要輸出産品であるオレンジを含むかんきつ類の生産が、全国の約6割を占めている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

駐日中国大使、台湾巡る高市氏発言に強く抗議 中国紙

ビジネス

米国とスイスが通商合意、関税率15%に引き下げ 詳

ワールド

米軍麻薬作戦、容疑者殺害に支持29%・反対51% 

ワールド

ロシアが無人機とミサイルでキーウ攻撃、8人死亡 エ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗り越えられる
  • 4
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 7
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中