ニュース速報
ワールド

生物多様性COP16開幕、自然保護に向けた資金確保が焦点

2024年10月22日(火)08時55分

 10月21日、国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)がコロンビアで開幕した。写真は同日、ユンボで撮影(2024年 ロイター/Luisa Gonzalez)

javier Andres Rojas Jake Spring

[カリ(コロンビア) 21日 ロイター] - 国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)が21日コロンビアで開幕した。各国首脳らは、自然破壊を食い止めるための資金確保に向けて緊急に行動する必要があると訴えた。

議長でコロンビアの環境相であるスサナ・ムハマド氏は「地球には無駄にできる時間はない」と述べ、「このミッションに必要な資金が不足していることは私たち全員が認めることだ」と述べた。

各国は2022年に23項目からなる30年までの国際保全目標を採択。COP16は、保全のために年間2000億ドルを捻出することなど、この目標をどのように実施するかを検討する任務を負っている。

地球規模生物多様性枠組み基金を昨年設立したが、開幕式で登壇したスピーカーらは、これまでのところ基金には数百万ドルしか集まっておらず、 想定されていた数十億ドルには達していないと指摘した。

国連のグテレス事務総長は20日夜のビデオメッセージで、世界は30年の目標達成に向けて軌道から外れていると指摘。サミット閉幕時には、枠組み基金に大幅な新規投資が行われていなければならないと語った。

ブラジルの首席交渉官アンドレ・コレア・ド・ラーゴ氏は開会の全体会議で、基金への寄付金が不足しているため、枠組みの目標を達成できないのではないかとの懸念が高まっていると述べた。

先進国は生物多様性枠組みの中で、25年までに開発途上国に年間200億ドルを拠出することに合意しており、経済協力開発機構(OECD)の最新データによると、これは22年の年間154億ドルから増額される。

ムハマド氏は、COP16が成功と見なされるためには、財政面も含め、 各国の生物多様性に関する誓約の検証、保全に関する決定への先住民の参加の強化、各国が遺伝物質の共有に対して支払う方法についてなど、幅広い項目で合意する必要があると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

赤沢氏「合意の結論に直ちに結びつかず」、対米交渉を

ワールド

ロサンゼルスで移民の抗議活動、トランプ政権が州兵派

ワールド

コロンビア大統領選の候補者、銃撃される 容疑者逮捕

ビジネス

CPIや通商・財政政策に注目、最高値視野=今週の米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 2
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、健康に問題ないのか?
  • 3
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全な場所」に涙
  • 4
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 5
    救いがたいほど「時代錯誤」なロマンス映画...フロー…
  • 6
    コメ価格高騰で放映される連続ドラマ『進次郎の備蓄…
  • 7
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「銀」の産出量が多い国はどこ?
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 4
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 5
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 6
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 7
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 8
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 9
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 10
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中