ニュース速報
ワールド

米ガソリン価格、近く1ガロン3ドル割れへ ハリス氏に追い風か

2024年09月12日(木)19時07分

アナリストによると、米国のガソリン価格は来月にも約3年ぶりに1ガロン=3ドルを割り込む見通し。写真はペンシルベニア州のガソリンスタンドで2022年10月撮影(2024年 ロイター/Aimee Dilger)

Shariq Khan

[ニューヨーク 12日 ロイター] - アナリストによると、米国のガソリン価格は来月にも約3年ぶりに1ガロン=3ドルを割り込む見通し。11月の大統領選直前にガソリン価格が下落する形になり、共和党からガソリンなど物価高を厳しく批判されている民主党のハリス副大統領にとって追い風となる可能性がある。

全米自動車協会(AAA)のデータによると、レギュラーガソリンの全米平均価格は11日時点で1ガロン=3.25ドル。1カ月前より19セント、1年前より58セント下がっている。

ガスバディー・ドット・コムのアナリスト、パトリック・デ・ハーン氏は、夏のドライブシーズンが終わり、小売店が数週間以内に冬用の安価な燃料を販売し始めるため、早ければ10月下旬までにガソリン価格が1ガロン=3ドルを下回ると予想している。大統領選の激戦州とされるノースカロライナ州では11日時点ですでに3ドルを割り込んでいる。

同氏は「米国人は投票所に車で向かうときに目にする価格を間違いなく覚えているだろう。これは共和党のトランプ前大統領と争うハリス氏にとって間違いなく良いニュースだ」と述べた。

ウェルズ・ファーゴ投資研究所によると、米国では大統領の支持率がガソリン価格と反比例する傾向にある。同研究所の実物資産戦略責任者、ジョン・ラフォージ氏は、ガソリン価格の下落は民主党の支持率を押し上げるはずだと指摘した。

不確定要素はハリケーン「フランシーヌ」だ。フランシーヌは11日、ルイジアナ州南部に上陸。石油生産施設の閉鎖が長期化するとの懸念で米原油価格は2ドル以上値上がりした。

オイル・プライス・インターナショナル・サービスのエネルギー分析責任者トム・クロザ氏は、ガソリン価下落は大統領選の勝敗を左右する激戦州で特に大きな意味を持つ可能性があると指摘。

AAAによると、激戦州ではノースカロライナ州の平均ガソリン価格が11日時点で1ガロン=2.983ドル、ウィスコンシン州は3.043ドルだった。  

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有

ビジネス

FOMCが焦点、0.25%利下げ見込みも反対票に注
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中