米ガソリン価格、近く1ガロン3ドル割れへ ハリス氏に追い風か
アナリストによると、米国のガソリン価格は来月にも約3年ぶりに1ガロン=3ドルを割り込む見通し。写真はペンシルベニア州のガソリンスタンドで2022年10月撮影(2024年 ロイター/Aimee Dilger)
Shariq Khan
[ニューヨーク 12日 ロイター] - アナリストによると、米国のガソリン価格は来月にも約3年ぶりに1ガロン=3ドルを割り込む見通し。11月の大統領選直前にガソリン価格が下落する形になり、共和党からガソリンなど物価高を厳しく批判されている民主党のハリス副大統領にとって追い風となる可能性がある。
全米自動車協会(AAA)のデータによると、レギュラーガソリンの全米平均価格は11日時点で1ガロン=3.25ドル。1カ月前より19セント、1年前より58セント下がっている。
ガスバディー・ドット・コムのアナリスト、パトリック・デ・ハーン氏は、夏のドライブシーズンが終わり、小売店が数週間以内に冬用の安価な燃料を販売し始めるため、早ければ10月下旬までにガソリン価格が1ガロン=3ドルを下回ると予想している。大統領選の激戦州とされるノースカロライナ州では11日時点ですでに3ドルを割り込んでいる。
同氏は「米国人は投票所に車で向かうときに目にする価格を間違いなく覚えているだろう。これは共和党のトランプ前大統領と争うハリス氏にとって間違いなく良いニュースだ」と述べた。
ウェルズ・ファーゴ投資研究所によると、米国では大統領の支持率がガソリン価格と反比例する傾向にある。同研究所の実物資産戦略責任者、ジョン・ラフォージ氏は、ガソリン価格の下落は民主党の支持率を押し上げるはずだと指摘した。
不確定要素はハリケーン「フランシーヌ」だ。フランシーヌは11日、ルイジアナ州南部に上陸。石油生産施設の閉鎖が長期化するとの懸念で米原油価格は2ドル以上値上がりした。
オイル・プライス・インターナショナル・サービスのエネルギー分析責任者トム・クロザ氏は、ガソリン価下落は大統領選の勝敗を左右する激戦州で特に大きな意味を持つ可能性があると指摘。
AAAによると、激戦州ではノースカロライナ州の平均ガソリン価格が11日時点で1ガロン=2.983ドル、ウィスコンシン州は3.043ドルだった。