ニュース速報
ワールド

ガザ停戦協議、失敗ならイスラエルを直接攻撃=イラン当局者

2024年08月14日(水)02時00分

イランの高官3人は13日、イランの対イスラエル報復攻撃を阻止できるものは、今週予定されるガザ停戦協議での合意のみだと述べた。提供写真。イランの首都テヘランで12日撮影(2024年 ロイター/Majid Asgaripour/WANA (West Asia News Agency) via REUTERS)

Parisa Hafezi Laila Bassam

[ドバイ/ベイルート 13日 ロイター] - イランの高官3人は13日、イランの対イスラエル報復攻撃を阻止できるものは、今週予定されるガザ停戦協議での合意のみだと述べた。イランはイスラム組織ハマスの最高指導者だったイスマイル・ハニヤ氏の暗殺を巡り、イスラエルに厳しい対応を取ると言明している。

情報筋の一人であるイランの高官は、ガザ停戦協議が失敗に終わった場合、あるいはイスラエルが交渉を長引かせているとイランが判断した場合、イランはレバノンの武装組織ヒズボラなどとともにイスラエルに直接攻撃を仕掛けるだろうと述べた。同高官は、イランがどれくらいの交渉期間を許容するかについては言及しなかった。

ハニヤ氏やヒズボラ司令官の殺害により中東地域で戦争拡大リスクが高まる中、イランはここ数日、報復措置を巡り西側諸国や米国と頻繁に対話を行っている。

トルコ駐在の米国大使は、米国が同盟国に対し、緊張緩和に向けイランを説得するよう要請していることを確認した。

また同地域の3人の政府筋によると、15日に予定されているエジプトとカタールの仲介による停戦協議を前に、事態のエスカレートを防ぐためイラン政府と協議したという。

イラン外務省と同国の精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」、イスラエル首相府、米国務省のコメントは得られていない。

イラン在住のアナリスト、サイード・ライラズ氏は、イラン指導部は「インセンティブを得、全面戦争を回避して中東地域における立場を強化するため」、ガザ停戦に関与することに積極的だと指摘。同氏によると、イランはこれまでガザ和平プロセスに関与したことはなかったが、今では「重要な役割」を果たす準備ができている。

2人の関係筋によると、イランは停戦協議への代表派遣を検討している。これはガザでの戦闘開始以来初めてのことで、イラン代表は会議に直接出席しないが、米国との「外交コミュニケーションのラインを維持する」ために水面下で協議を行うという。

これについて米国やカタール、エジプト当局のコメントは得られていない。

一方、ヒズボラに近い2人の高官は、イランは交渉関係者に機会を与えるだろうが、報復の意図を放棄することはないだろうと語った。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中