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ロイター映像記者死亡、レバノン南部で取材中 イスラエルの砲撃か

2023年10月14日(土)10時44分

 10月13日、ロイターは、同社の映像記者イッサム・アブダラ氏がレバノン南部で取材中に死亡したと発表した。同地域ではイスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの交戦が続いている。写真は2月、トルコで取材中に自身を撮影するアブダラ氏(2023年 ロイター/Issam Abdallah)

[米大統領専用機上/国連 13日 ロイター] - レバノン南部で13日、イスラエル側から発射されたミサイルが取材中の報道陣近くに着弾し、ロイターの映像記者イッサム・アブダラ氏が死亡し、6人が負傷した。

現場はイスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの交戦が続く、イスラエル国境に近いアルマアシャアブで、ロイターのほかアルジャジーラやAFP通信が取材していた。

レバノンのミカティ首相とヒズボラ関係者は、イスラエルの攻撃だと非難した。

イスラエル軍はコメントの要請に応じていない。同国のエルダン国連大使は、記者に砲撃することは意図しないが戦争状態にあると述べ、事件を調査すると表明した。

ロイターは、アブダラ氏が放送局向けにライブ映像を送っていたところ被害に遭ったと説明した。映像には大きな爆発音とともにカメラが揺れ、煙が立ち上って悲鳴が響く様子が映されていた。

声明で「われわれは映像記者のイッサム・アブダラ氏が殺害されたことを知り深く悲しんでいる」とし、現地当局と協力してさらなる情報を求め、遺族や同僚を支援すると述べた。

このほか、ロイター、AFP、アルジャジーラの記者それぞれ2人が負傷した。

負傷したロイター記者によると、ロイターなどがイスラエル側から飛来するミサイルを撮影していたところ、1発がアブダラ氏を直撃し、その直後に別のミサイルが取材車に命中した。

AFPやアルジャジーラはミサイルがイスラエルによるものと伝えたが、ロイターはイスラエルが発射したかどうか確認できていない。

ロイターは先に、イスラエル軍が国境付近のレバノン軍の監視所を攻撃したと伝えていた。イスラエル側は武装した何者かが侵入した疑いがあり攻撃したと発表したが、その後誤りだったと説明した。

米ホワイトハウスのダルトン報道官は、バイデン大統領がアブダラ氏の遺族に「心からご冥福をお祈りしている」と記者団に語った。

国連のグテレス事務総長はアブダラ氏の死亡を受けて、紛争がレバノンにも波及する危険性が極めて高いことを示していると述べた。

ロイター
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