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IMF・世銀総会控えるモロッコ、地震被災者はテント暮らし
北アフリカ・モロッコのマラケシュで、9日から国際通貨基金(IMF)と世界銀行の総会が開かれる。10月1日撮影(2023年 ロイター/Abdelhak Balhaki)
Ahmed Eljechtimi
[マラケシュ(モロッコ) 5日 ロイター] - 北アフリカ・モロッコのマラケシュで、9日から国際通貨基金(IMF)と世界銀行の総会が開かれる。華やかな会場からわずか1時間の村では、9月の地震の被災者が、がれきに囲まれて今もテント暮らしを送っている。
被害が比較的小さかったマラケシュでは、旧市街の壁が既に修理され、倒れたモスクのミナレット(塔)は覆われ、がれきも撤去されて花が植えられている。
しかし地震による死者約3000人の大半が集中したアトラス山脈の村では、村人らがシャワーや清潔なトイレにほとんどアクセスできず、国の支給に頼ってテントで暮らしている。
モロッコはアフリカで最もインフラ整備や産業が進んだ国の一つだが、農村部の貧しい人々の多くは水道などの基本的なサービスも受けられず、かねて貧富の差が大きい。
かたやマラケシュの伝統的なホテルは今週、IMF・世銀総会期間中の価格として、ツインルーム1泊2万モロッコ・ディルハム(1900ドル)の広告を出していた。この地域の1人当たり国内総生産(GDP)は年平均2000ドルだ。
総会には、モロッコ政府の直接の要請により1万人以上が出席する予定。IMF報道官は、総会により被災者の救援活動に支障が出ることはないと約束した。
総会は地震が起こる以前から予定されていたが、地震を踏まえてモロッコに観光客を呼び戻す重要な場とも位置付けられるようになっている。