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米国務長官がキーウ訪問、反攻は進展と評価 10億ドル支援発表
9月6日、ブリンケン米国務長官(写真)はウクライナへの支援姿勢を示すためキーウ入りした。写真は同日、キーウ行きの列車で代表撮影(2023年 ロイター)
[キーウ 6日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は6日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ロシアに対するウクライナの反攻が重要な進展を遂げているとの認識を示した。10億ドル以上に相当する新たな支援策も発表した。
ただ、ウクライナ当局によると、この日にはロシアが東部ドネツク州のコンスタンチノフカを攻撃し、子どもを含む少なくとも17人が死亡。ブリンケン氏の訪問に影を落とした。
ブリンケン氏は7日まで滞在する予定で、ウクライナで一夜を過ごすのはロシアの侵攻開始以来初めて。4カ月目に入るウクライナの反攻開始以降、米高官がキーウを訪問するのも初めてとなる。
ブリンケン氏はクレバ外相と会談。「ウクライナが必要とするものを確保したい。反攻の成功のみならず長期的に必要とするものを整え、強固な抑止力を有することを希望する」と述べ、ウクライナの経済、民主主義の復興を有志国とともに支援する方針を示した。
共同記者会見で「現在展開されている反攻は、ここ数週間で進展が加速している。今回の新たな支援はそれを維持し、さらに勢いをつけるのに役立つだろう」と語った。
ブリンケン氏は先に、反攻の進展は重要で非常に心強いとも述べていた。
米メディアは最近、反攻が緩慢で稚拙な戦術によって妨げられていると批判する匿名の米当局者発言を報道。クレバ外相が「黙れ」と反発した経緯がある。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官によると、新たな支援には、高機動ロケット砲システム「ハイマース」や携帯型対戦車ミサイル「ジャベリン」、主力戦車「エイブラムス」が含まれる。
また、国防総省によると、エイブラムス向けの劣化ウラン弾も提供する。
クレバ氏は、米長距離ミサイル「ATACMS」の供与に関してブリンケン氏と協議したことを明らかにし、前向きな決定を望むと表明。ウクライナへの武器供与は、ロシアの侵略から世界を守ることになると訴えた。
ウクライナ議会はこの日、更迭されたレズニコフ国防相の後任に、国有財産基金のトップを務めていたルステム・ウメロフ氏の起用を承認したが、ブリンケン氏がウメロフ氏と会談するかどうかは明らかにされていない。
ブリンケン氏はキーウに向かう電車では、この日同じくウクライナを訪問するデンマークのフレデリクセン首相と会談し、F16戦闘機の供与に謝意を示した。
ブリンケン氏の訪問について、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、米国はウクライナへの軍事支援を継続するつもりだろうが、ロシアの「特別軍事作戦」の方向性には影響しないと述べた。
*写真を追加して再送します。