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韓国中銀、3.50%に金利据え置き 制約的な政策スタンス維持へ
韓国銀行(中央銀行)は13日、政策金利を3.50%に据え置いた。インフレ率が目標水準に向けて鈍化し続ける中、4会合連続で据え置きを決めた。写真は2016年7月、ソウルで撮影(2023年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[ソウル 13日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は13日、政策金利を3.50%に据え置いた。インフレ率が目標水準に向けて鈍化し続ける中、4会合連続で据え置きを決めた。
ロイターの調査でも、エコノミスト46人全員が金利据え置きを予想していた。
中銀は声明で「物価安定の確保に重点を置き、かなりの期間において制約的な政策スタンスを維持する」と述べた。
李昌ヨン総裁は、この日の会合で委員会のメンバー6人が追加利上げの余地を残し、利下げは議論されなかったと説明。米金融政策を巡る不透明感に言及し、「最近の為替相場安定に安心するのは時期尚早で、それが彼らの意見の背景にある最大の理由だった」と記者会見で述べた。自身の立場は明らかにしなかった。
韓国ウォンは対ドルで6カ月ぶり安値を付けた5月中旬以降に5.5%上昇している。
中銀は今年のコアインフレ率が従来予想よりも若干高くなる見通しだとした。ノンバンク部門へのリスクが拡大しているとも指摘した。
韓国では軟調な不動産市場が一部の金融機関の流動性を圧迫しており懸念が高まっている。
李氏は、顧客の引き出し増加に見舞われているMG地域信用協同組合(MGCCC)について、状況は落ち着きつつあり、引き続き管理可能だと強調。当局はこうした事態にマクロ政策ではなくミクロの手段で対応すると述べた。
中銀は今年1月に利上げして以降、政策を据え置いており、2021年8月に始まった引き締めサイクルは終わったとの見方が大勢だ。
新韓セキュリティーズのフィクストインカムアナリストは「中銀が利上げも利下げも難しいと感じる厳しい状況にあることが会合で示された」と指摘。「インフレ率低下後、中銀は来年前半から経済成長を考慮し始めるだろう」と述べ、年内は金利が据え置かれるとの見方を維持した。
政府と中銀は今年の成長率を1.4%と予測している。昨年は2.6%だった。
消費者物価指数(CPI)上昇率は昨年7月に記録した24年ぶり高水準の6.3%から鈍化が続き、今年6月には2.7%となったが、中銀の中期目標である2%は上回っている。