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米財務省が来週前半の短期国債入札発表、資金枯渇は6月1日よりも後か

5月25日、米財務省は、来週前半に実施予定の短期国債(Tビル)入札の詳細を発表した。米首都ワシントンで2020年8月撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)
[25日 ロイター] - 米財務省は25日、来週前半に実施予定の短期国債(Tビル)入札の詳細を発表した。一部の市場参加者は、債務上限引き上げの遅れに絡む政府資金枯渇の「Xデー」は、イエレン財務長官が警告している6月1日ではないことを示しているのではないかとみている。
今回の発表によると、30日に3カ月物と6カ月物のTビル合計で1190億ドルの入札が行われる。11月償還のキャッシュマネジメント・ビル(CMB)も発行予定だ。いずれも6月1日が資金決済日に設定された。
イエレン氏はこれまで繰り返し、ホワイトハウスと野党共和党が債務上限引き上げに合意しない限り、6月1日に政府の資金繰りが行き詰まる恐れがあると指摘してきた。
しかし調査会社ライトソンICAPによると、現行の債務上限の下で国債が新規発行できることが確実視された上で、財務省は入札予定を発表するのが通例だという。
TDセキュリティーズのシニア金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は、財務省が入札を発表した事実そのものが「国債の資金決済をするための現金を恐らく保有していることを示唆している。過去において彼らは、決済手段がないと考える入札は発表してこなかった。だからこれは明るい材料だと思う」と述べた。
一方でゴールドバーグ氏は「だが楽観できるのはそこまでだ。なぜなら財務省は6月の2週目までのどこかで資金が尽きる公算が非常に大きいとわれわれは知っている」と語り、財務省は既にバケツの底をさらうように手持ちの資金をかき集めてやり繰りしているとの見方を示した。
米金融機関の間では、財務省は6月6─9日の間で特別な借り入れ措置などを通じた資金繰りの余地がなくなるとの予想が大半だ。