ニュース速報

ワールド

米財務省が来週前半の短期国債入札発表、資金枯渇は6月1日よりも後か

2023年05月26日(金)07時39分

 5月25日、米財務省は、来週前半に実施予定の短期国債(Tビル)入札の詳細を発表した。米首都ワシントンで2020年8月撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)

[25日 ロイター] - 米財務省は25日、来週前半に実施予定の短期国債(Tビル)入札の詳細を発表した。一部の市場参加者は、債務上限引き上げの遅れに絡む政府資金枯渇の「Xデー」は、イエレン財務長官が警告している6月1日ではないことを示しているのではないかとみている。

今回の発表によると、30日に3カ月物と6カ月物のTビル合計で1190億ドルの入札が行われる。11月償還のキャッシュマネジメント・ビル(CMB)も発行予定だ。いずれも6月1日が資金決済日に設定された。

イエレン氏はこれまで繰り返し、ホワイトハウスと野党共和党が債務上限引き上げに合意しない限り、6月1日に政府の資金繰りが行き詰まる恐れがあると指摘してきた。

しかし調査会社ライトソンICAPによると、現行の債務上限の下で国債が新規発行できることが確実視された上で、財務省は入札予定を発表するのが通例だという。

TDセキュリティーズのシニア金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は、財務省が入札を発表した事実そのものが「国債の資金決済をするための現金を恐らく保有していることを示唆している。過去において彼らは、決済手段がないと考える入札は発表してこなかった。だからこれは明るい材料だと思う」と述べた。

一方でゴールドバーグ氏は「だが楽観できるのはそこまでだ。なぜなら財務省は6月の2週目までのどこかで資金が尽きる公算が非常に大きいとわれわれは知っている」と語り、財務省は既にバケツの底をさらうように手持ちの資金をかき集めてやり繰りしているとの見方を示した。

米金融機関の間では、財務省は6月6─9日の間で特別な借り入れ措置などを通じた資金繰りの余地がなくなるとの予想が大半だ。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相「首脳外交の基礎固めになった」、外交日程終

ワールド

アングル:米政界の私的チャット流出、トランプ氏の言

ワールド

再送-カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブル

ワールド

北朝鮮、非核化は「夢物語」と反発 中韓首脳会談控え
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 10
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中