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生物多様性で現実的協定を、COP前に議長国中国が呼びかけ

2022年11月28日(月)18時10分

11月28日、生物多様性に関する国連の会議、国連生物多様性(CBD)第15回締約国会議(COP15)が来週開催されるのを前に、議長国の中国が会見し、生物多様性を保護する「野心的かつ実用的な」新しい国際的協定に向けた協議を主導していくと述べた。写真は北京の中国外務省前に掲揚された中国旗。2月撮影(2022年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

[上海 28日 ロイター] - 生物多様性に関する国連の会議、国連生物多様性(CBD)第15回締約国会議(COP15)が来週開催されるのを前に、議長国の中国が28日に会見し、生物多様性を保護する「野心的かつ実用的な」新しい国際的協定に向けた協議を主導していくと述べた。ただ協定の実施が最大の課題とも指摘した。

COP15はもともと中国雲南省昆明で開催する予定だったが新型コロナウイルスの感染規制の影響で延期され、カナダのモントリオールに場所を移して12月5日から開催する。議長は引き続き中国が務める。

昨年の第一段階の協議では、世界経済のあらゆる分野に生物多様性保護を含めるための緊急の行動をうたう「昆明宣言」に100カ国以上が署名した。しかし経済的ゆとりのない国への資金支援といった問題では合意できなかった。

中国生態環境省の国際部門の責任者は会見で、これまでの交渉は「順風満帆」でなく、「現実的でバランスが取れ、実現可能で達成できる」野心的な協定に焦点を当てたものだったと説明。

多くの問題でまだ相違があり、資源と財政支援を動員する実施メカニズムが成否の鍵を握ると述べた。

2010年に愛知県で開催したCOP10が採択した「愛知目標」は、生物多様性の損失を20年までに鈍化させるための20の目標が設定したが、どの目標も完全には達成されていない。

同省の自然生態部門の責任者は、各国が新たな目標の達成可能性を「十分検討」する必要があると指摘。

「愛知目標の実施における経験と教訓から十分に学び、世界の生物多様性保護の野心と自信を高めるだけでなく、現実的で地に足のついたものにすべきだ」と述べた。

ロイター
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