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北朝鮮、上期に核実験の準備進める 追加実験に「道筋」=国連報告書

8月4日、 国連の報告書は、北朝鮮が今年1─6月に核実験は行わなかったものの、核実験の準備を進めており、これは「追加実験へ道筋をつけるもの」だと指摘した。写真は4月、平壌で行われた朝鮮人民革命軍創建90年の記念日の式典で撮影。KCNA配信(2022年 ロイター)
[国連 4日 ロイター] - 国連の報告書は、北朝鮮が今年1─6月に核実験は行わなかったものの、核実験の準備を進めており、これは「追加実験へ道筋をつけるもの」だと指摘した。
独立した制裁監視団が国連安保理の北朝鮮制裁委員会に提出した機密報告書の一部について、ロイターが4日確認して分かった。
報告書では「豊渓里(プンゲリ)核実験場での作業が、核兵器開発のための追加核実験へ道筋をつけるものだ」と指摘。また、寧辺(ヨンビョン)の核施設では核分裂性物質を生産する能力を開発し続けたとした。
ニューヨークの北朝鮮国連代表部にこの報告書についてコメントを求めたが、回答は得られていない。
米国は以前から、北朝鮮が7回目の核実験を行う用意があると警告しており、実施されれば、再び国連による制裁強化を推進するとしている。
国連監視団は報告書で、北朝鮮政府が少なくとも1回の大規模なハッキング攻撃で数億ドル相当の暗号資産(仮想通貨)を盗んだことが調査で示されたと指摘。監視団はこれまでにも、北朝鮮が核・ミサイル開発の資金源としてサイバー攻撃を行っていると非難してきた。
報告書は「大量破壊兵器など北朝鮮の制裁プログラムにとって、価値のある情報などを入手するための活動も続いた」としている。
北朝鮮は、安保理から核実験と弾道ミサイル発射を禁止されている。
監視団は、北朝鮮が今年前半に核実験こそ行わなかったが、核実験場での準備を進め、昨年9月に始まったミサイル計画の加速を継続したと指摘。
また、北朝鮮が弾道技術と誘導技術を組み合わせた31のミサイルを発射し、それには6つの大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験と弾道兵器と明確に説明した2つのミサイルが含まれているとした。
監視団はさらに、北朝鮮は制裁を逃れ、不正な石油輸入と石炭輸出を続けているとも指摘した。