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マリウポリ「人道回廊」機能せず、ロ軍の統制欠如=ウクライナ当局

2022年04月21日(木)08時21分

4月20日、ウクライナ当局は、ロシア軍が包囲する南東部の港湾都市マリウポリから民間人を退避させるため、一時停戦して「人道回廊」を設置する合意をロシア側が守らず、多くが避難できなかったと批判した。マリウポリで19日撮影(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko)

[キーウ(キエフ)/ハリコフ 20日 ロイター] - ウクライナ当局は20日、ロシア軍が包囲する南東部の港湾都市マリウポリから民間人を退避させるため、一時停戦して「人道回廊」を設置する合意をロシア側が守らず、多くが避難できなかったと批判した。

ウクライナ当局は先に、民間人6000人を避難させるため20日にバス90台を派遣する計画を発表した。

しかし、マリウポリがあるドネツク州のキリレンコ知事は、実際にマリウポリに入れたバスは計画よりも少なく、退避できた民間人も想定より少なかったと明かした。

ウクライナのベレシチューク副首相は人道回廊は「意図した機能を果たさなかった」と指摘。「現地のロシア軍の統制が取れていないため、占領者は適切に停戦を実施できなかった」とフェイスブックに投稿。ロシア軍は内部の分裂と怠慢が原因で、数十台のバスや救急車が待機していた場所に民間人を輸送できなかったとした。

マリウポリ市長は既に現地を離れているが、市内には約10万人の民間人がなお残されており、ロシアの侵攻開始以降、数万人が殺害されたと述べた。ロイターは数字の確認を取れていない。

マリウポリはロシア軍の激しい攻撃を受け、市民の避難ができない人道危機が続いている。現在はアゾフスターリ製鉄所にウクライナ軍兵士が立てこもり、ロシア側の投降要求を拒否している。

マリウポリで抗戦を続けているウクライナ第36海兵隊のセルヒ・ボリナ指揮官は通信アプリ「テレグラム」に投稿したビデオで、国際社会に対し、負傷した兵士と家族の退避に力を貸すよう訴えた。

「これは世界に対する訴えだ。最後の訴えになるかもしれない。われわれに残された時間は数日、あるいは数時間かもしれない」と語り、「敵の部隊はわれわれの数十倍も規模が大きく、上空を制し、砲兵、地上部隊、装備、戦車で圧倒している」と強調した。

ロイターは動画が本物かどうかは確認できていない。

ロイター
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