ニュース速報

ワールド

イスラエルのガザ空爆で計192人死亡、首相は継続表明 ハマスもロケット弾

2021年05月17日(月)08時13分

 5月16日、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの間で攻撃の応酬が続いている。イスラエルによるガザ空爆では16日、複数の住宅が破壊され、保健当局によると子ども10人を含む42人のパレスチナ人が死亡。10日以降の死者は192人に上った。ガザで15日撮影(2021年 ロイター/Suhaib Salem)

[ガザ/エルサレム 16日 ロイター] - イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの間で攻撃の応酬が続いている。イスラエルによるガザ空爆では16日、複数の住宅が破壊され、保健当局によると子ども10人を含む42人のパレスチナ人が死亡。10日以降の死者は192人に上った。

ハマスはイスラエルに対するロケット弾攻撃を続けており、10日に始まった交戦に収束の兆しは見られない。

イスラエル軍は16日の空爆について、ハマスが使用する地下トンネル網を狙った攻撃だったとし、トンネル崩落によって住宅が倒壊したと説明。一般市民に負傷者が出るのは意図していなかったと主張した。

一方のハマスは「事前に計画された殺害」だと非難した。

イスラエルのネタニヤフ首相はテレビ演説で、ガザ空爆を「全力」で継続すると表明。「イスラエル市民の平穏を取り戻すまで、必要な限り行動する。時間がかかるだろう」と述べた。

イスラエル側の死者は子ども2人を含む10人となった。イスラエル軍によると、過去1週間にガザから発射されたロケット弾は2800発を超えるという。

<国連では即時停戦求める声>

ニューヨークでは国連安全保障理事会が緊急会合を開いた。グテレス事務総長はイスラエルとガザにおける敵対行為を「実に悲惨だ」と非難し、即時停戦を訴えた。「(国連は)即時停戦に向けて各方面に働きかけている」と述べ、「仲介の取り組みを加速させ成功させる」よう両者に求めた。

米国は会合で、イスラエルやパレスチナなどに対し「当事者が停戦を求めるなら」支援する用意があると伝えたことを明らかにした。

イスラエルは、15日にはAP通信や中東のテレビ局アルジャジーラなどが入る12階建てのビルを空爆で破壊した。

ネタニヤフ首相は米CBSの番組でこれについて、ハマスの情報部門がビルを使用していたため正当な標的だったと主張。空爆について事前に米国に伝えていたと述べた。イスラエルはビルの入居者に避難するよう事前に警告していた。

AP通信は空爆を非難し、ハマスがビルを使用していた証拠を示すよう求めた。

バイデン大統領の特使として派遣されたアムル国務副次官補(パレスチナ・イスラエル問題担当)は、協議のため14日にイスラエル入りした。

協議について直接知る当局者によると、アムル氏はイスラエルの自衛権を米国は全面的に支持するという、バイデン政権が公に表明してきた立場を伝えたという。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エアバス、11月の納入数が減少 胴体パネル問題で

ワールド

台湾最大野党主席、中国版インスタの禁止措置は検閲と

ビジネス

ドイツ景気回復、来年も抑制 国際貿易が低迷=IW研

ワールド

台湾、中国の軍事活動に懸念表明 ロイター報道受け
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 7
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 8
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 9
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中