ニュース速報

ワールド

トランプ大統領、90日以内のTikTok米事業売却を命令

2020年08月15日(土)12時55分

 トランプ米大統領は14日、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を90日以内に売却するよう命じた。写真は昨年11月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[ワシントン 14日 ロイター] - トランプ米大統領は14日、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を90日以内に売却するよう命じた。

トランプ氏は「バイトダンスが米国の安全保障を脅かす行動をとる可能性があると確信させる確かな証拠がある」とした。

トランプ氏は今月、安全保障上の懸念を理由に、バイトダンスがティックトックを45日以内に売却しない限り、ティックトックとの取引を禁止する大統領令に署名。バイトダンスはすでにティックトックの米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドにおける事業の売却を米マイクロソフトと協議している。

今回の新たな命令により、バイトダンスにティックトック売却を迫る圧力が増すほか、トランプ政権のティックトック取り締まりが法的根拠を得ることになる。この命令で、米当局者には個人情報保護を理由にティックトックとバイトダンスの財務と情報システムを調べる権限が与えられる。

バイトダンスは14日、1億人の米国民がティックトックを利用している理由は「それが彼らにとっての娯楽・自己表現・つながりの場だからだ」と表明。引き続き、ユーザーへのサービスを提供し続ける方針を示した。

バイトダンスは2017年に米動画アプリ「Musical.ly」(ミュージカリー)を買収し、ティックトック改良版に統合した。

対米外国投資委員会(CFIUS)は昨年、この買収を巡り調査を開始していた。

ムニューシン米財務長官は14日、今回の命令はバイトダンスに「米国でティックトックあるいはミュージカリーのユーザーから入手したあらゆるデータ」を手放すことも命じていると説明。CFIUSがミュージカリー買収について徹底的に調査した結果、米国のユーザーを個人情報の搾取から守るために今回の措置を大統領に提言したと明らかにした。

これとは別にトランプ大統領は14日、バイトダンスとともに45日以内の取引禁止を発表した中国の騰訊控股(テンセント)<0700.HK>の運営する対話アプリ「微信(ウィーチャット)」について、全面禁止でアップルの中国でのiPhone販売が打撃を受けると懸念しているか問われると、懸念を示さず「米国の安全保障に資することをする」と記者団に語った。[nL4N2F90X5]

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ビットコイン再び9万ドル割れ、一時6.1%安 強ま

ワールド

プーチン氏、2日にウィットコフ米特使とモスクワで会

ビジネス

英住宅ローン承認件数、10月は予想上回る 消費者向

ビジネス

米テスラ、ノルウェーの年間自動車販売台数記録を更新
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 7
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 8
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中