ニュース速報

ワールド

香港メディア王の黎氏、国安法違反で逮捕 周庭氏ら活動家も

2020年08月11日(火)01時19分

 香港のメディア王で著名な民主活動家の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)(写真中央)が8月10日、香港国家安全維持法(国安法)の下、外国勢力と結託した疑いで逮捕された。写真は連行される黎氏(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

[香港 10日 ロイター] - 香港のメディア王で著名な民主活動家の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)が10日、香港国家安全維持法(国安法)の下、外国勢力と結託した疑いで逮捕された。香港における報道の自由などを巡る懸念が一層強まった。

香港警察は、外国勢力との結託を含む国安法違反の疑いで、現地の23─72歳の男9人と女1人を逮捕したと発表したが、逮捕者の名前は公表しなかった。捜査は継続中で、逮捕者が増える可能性もあるとした。

こうした中、地元メディアなどによると、著名な民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(23)も国安法違反の容疑で逮捕された。

黎氏のメディア企業、壱伝媒(ネクスト・デジタル)<0282.HK>傘下の蘋果日報はフェイスブックのページで、警察が社内に入り、従業員の詳細を記録する様子をとらえた動画を生配信し、黎氏が10日朝に自宅から連行されたと報じた。黎氏はその後、オフィスに連れていかれた。到着時には手錠をされていた。

蘋果日報の編集長はロイターに対し、当局の捜索でひるむことはないとし「いつも通りだ」と語った。

同紙によると、黎氏の息子のイアン氏も自宅で逮捕され、その後、同氏のレストランが家宅捜索を受けた。

蘋果日報の関係筋によると、警察の捜査の対象には壱伝媒の他の幹部らも含まれており、自宅が捜索を受けているという。

壱伝媒の株価は一時16.7%急落したが、その後急反発し300%高。

エバーブライト・サンフンカイのアナリスト、ケニー・ング氏は「市場は最悪局面が過ぎたと考えている可能性がある」と述べた。

非営利団体ジャーナリスト保護委員会(CPJ)アジアプログラムのスティーブン・バトラー氏は黎氏の逮捕について、「香港国安法が民主派による批判的な意見を抑圧し、報道の自由を制限するために利用されるという、最も恐れたことを裏付けるものだ」と述べた。

台湾の蘇貞昌行政院長(首相)は「中国は香港をこのように扱うべきでない」と述べた。

米政府は7日、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む11人を制裁対象にしたと発表した。

中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙「環球時報」の胡錫進編集長はツイッターに、黎氏の逮捕は香港が米国の制裁におじけづいていないことを示すと投稿した。

中国の国務院香港・マカオ事務弁公室の報道官は国営新華社通信に対し、黎氏の逮捕を支持すると表明。黎氏は反中国、反香港の代表格であり「厳罰に処すべき」とした。

ポンペオ米国務長官はツイッターで、黎氏の逮捕に「非常に心を痛めている」とした上で「中国共産党が香港の自由を骨抜きにし、市民の権利を奪っていることが改めて証明された」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米、エヌビディア「H200」の対中輸出を承認 事前

ワールド

訂正-台湾、中国スマホ「ワンプラス」CEOに逮捕状

ビジネス

中国ディーラー業界団体、自動車各社に在庫慣行の是正

ワールド

豪求人数、9─11月は前期比0.2%減 落ち込み減
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 4
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「お父さんの部屋から異臭がする」...検視官が見た「…
  • 10
    「普通じゃない...」「凶器だ」飛行機の荷物棚から「…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中