ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-米、被験者10万人超のコロナワクチン治験計画 候補株は約6株

2020年05月23日(土)06時16分

5月22日、米国は、新型コロナウイルスワクチンの年内の実用化に向け、有望なワクチン候補を6株程度に絞るとともに、10万人超の被験者を対象に大規模な治験を行う計画ことが分かった。写真は5月5日、ニューヨーク州で(2020年 ロイター)

[シカゴ 22日 ロイター] - 米国は、新型コロナウイルスワクチンの年内の実用化に向け、有望なワクチン候補を6株程度に絞るとともに、10万人超の被験者を対象に大規模な治験を行う計画だ。

複数の専門家によると、主要ワクチンメーカーはデータ共有に加え、自社開発が失敗した場合、治験ネットワークの利用を他社に認めることなどで合意した。

初期の治験で安全性が確認されたワクチン候補を用い、7月には1株につき2ー3万人の被験者を対象に大規模治験が開始される予定。フレッド・ハッチンソンがん研究所のラリー・コーリー医師は、被験者登録数が10ー15万人に上る可能性もあると明らかにした。

国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は「問題がなければ治験を継続する」とした上で、非常に有効なワクチンであれば6カ月程度、またあまり有効でないワクチンは9—12カ月程度の治験を要する可能性があると述べた。

大規模治験の使用ワクチンとしては、バイオ医薬大手の米モデルナとNIHが共同開発するワクチンがまず候補に挙げられるほか、英オックスフォード大と英アストラゼネカのワクチンも候補になり得るという。

米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、仏サノフィ、米メルクのワクチン開発は先行候補から1ー2カ月出遅れているが、「初期治験を経た上で夏場にも大規模治験に加わる可能性がある」とした。

国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は22日、12月までに米国内でコロナワクチンの接種を開始する可能性に自信を表明。「想定外の妨げに直面しない限り、米国内で今年12月もしくは来年1月にワクチン接種を展開することは想定可能だ」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中