ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(12日)米株は主要3指数が1.5%超下落、ドル小幅高、2年債利回り6カ月ぶり高水準

2026年03月13日(金)07時02分

<為替> ニュ‌ーヨーク外為市場では、ドルが円やユーロなど主要通貨に対して小幅に上昇した。‌中東緊迫化を背景に原油価格が上昇する中、安全資産と見なされるドルに資金が流れる状況が続いている。

この日は、イランの​新たな最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師が初めて声明を発表。国営テレビが読み上げた声明で、ホルムズ海峡の封鎖を「敵に圧力をかける手段として継続すべき」と表明したほか、「イランは殉教者の血の復讐をためらわな⁠い」とし、「地域にある米軍基地は全て即時閉鎖されるべきで、これら​の基地は攻撃対象となる」と警告した。

イランが中東各地の原油関連施設などへの攻撃を強める中、原油価格はこの日も上昇。エコノミストは、中東の武力衝突が長期化すれば、世界経済に対する影響が増幅されると警告している。

原油高に対応するため、国際エネルギー機関(IEA)は11日、4億バレルの戦略石油備蓄放出で合意。放出の規模は過去最大となる。ただ、放出量はエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の事実上の封鎖で失われた原油供給の約20日分にとどまるほか、放出された備蓄が実際に市場に出回るまでに数週間から数カ月が必要。バークレイズのストラテジスト、レフテリス・ファルマキス氏は「現時点で最も重要なのは天然⁠ガスと原油の供給だ。ユーロ圏は依存度が高いため、ユーロが全面的に売られている」と指摘。エネルギー市場の混乱が長期化すれば、ユーロに一段の下押し圧力がかかるとの見方が出ている。

市場は、来週に米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などの主要中銀が開く一連の政策決定会合に注目。エネルギー価格の上昇への対応⁠が主な焦点になる​中、キャピタル・エコノミクスの北米担当副主任エコノミスト、スティーブン・ブラウン氏は「FRBは17─18日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定すると予想されており、FOMC声明の文言の変化と、四半期ごとに発表される経済・金利見通しに焦点が移っている」と指摘。「FOMC声明から利下げバイアスが削除され、金利を巡る見通しの中央値が『年内1回の利下げ』から『金利変更なし』にシフトすれば、最もタカ派的な結果となる」と述べた。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、金利動向に敏感な2年債利回りが6カ月ぶりの高水準を付けた。イランが中東地域のエネルギー・輸送施設への攻撃を強化し、原油価格の高騰が続く中、インフレ再燃を巡る懸念が高まった。

BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジストらは「紛争長期化によるインフレと財政への影響を踏まえ、国債価格の一段安が警戒される」と述べた。

終盤の取引で、2年債利回りは11.3bp上昇し、昨年8月22日以来の高水準となる3.749%に達した。1日⁠の上昇率としても昨年6月以来の大きさとなった。

指標となる10年債利回りは4.9bp上昇の4.255%と、2月5日以来の高水準となった。

2・10年債利回り格差は約6bp縮小し、50bp。一時49.4bpと、11月28日以来の低水準を付けた。

米金融・債‌券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は主要3指数がいずれも1.5%超下落して取引を終えた。エネルギー株と一部のディフェンシブ銘柄を除き、幅広い銘柄が大きく値を下げた。

イランによる石油タンカーへの攻撃が相次いだ⁠ことを受けて原油⁠価格が1バレル=100ドルに迫る急騰となり、インフレ懸念をさらに悪化させたため、株式市場から資金が逃避した。

イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師は12日、選出後初めて声明を発表し、ホルムズ海峡の封鎖について「敵に圧力をかける手段として継続すべき」と表明した。また、国際エネルギー機関(IEA)は中東での戦争が史上最大の石油供給混乱を引き起こしていると指摘。インフレ加速への懸念が一層強まった。

トランプ米政権はイラン情勢に絡む原油価格の高騰や混乱に対処するため、米港湾間の輸送に米国製船舶の使用を義務付ける「ジョーンズ法」の適用を一定期間免除することを検討している。

カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デト‌リック氏は「中東紛争の解決がさらに遠のいているという認識が広まっている」とし、「まず売って、質問は後でするという心理だ。エネルギー以外に安全なセクターは存在​しない」と述‌べた。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、⁠対ユーロでのドル高や米早期利下げ観測の後退を背景に、続落した。中心限月4月物の清算値(​終値に相当)は前日比53.30ドル(1.03%)安の1オンス5125.80 ドル。

この日の外国為替市場では、ドルが対ユーロで強含みに推移。ドル建てで取引される商品の割高感が意識され、相場は下押された。原油高などを背景としたインフレ再燃懸念を受け、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退する中、米長期金利の指標である10年債利回りが高止まりしたことも、金利を生まない資産である金相場の重しとなった。

ただ、中東情勢が依然として緊迫化していることが安全資産としての金需要につながり、相場の下値は堅かった。英海事機関UKMTOによると、原油輸送の要衝ホルムズ海峡周辺で11日から12日朝にかけて6隻の船が攻撃を受けた。ロイターは、ペルシャ湾のイラク領海内で、爆発物を積んだボートが2隻の石油タンカーを攻撃し、炎上させたと報道。‌イランの攻撃とみられ、乗組員1人が死亡した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢の悪化で供給混乱懸念が根強い中、大幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比8.48ドル(9.72%)高の1バレ ル=95.73ドル。5月物は8.36ドル高の94.43ドルだった。

英海事機関UKMTOによると、原油輸送の要衝ホルムズ海峡周辺で11日から12日 朝にかけて6隻の船が攻撃を受​けた。米イスラエルの攻撃を受けるイランは、報復として湾岸諸国の原油施設を攻撃。イランの新しい最高⁠指導者モジタバ・ハネメイ師は12日、 父親の前最高指導者ハネメイ師を殺害した米イスラエルに対し、徹底抗戦を宣誓。イランが事実上封鎖している原油輸送の要衝ホルムズ海峡については「封鎖を続けなければならない」と主張した。中東産エネルギー供給の先行き不安が再燃する中、原油相場は改めて騰勢を強め、英国産北海ブレント先物は一時100ドルを突破。WTIは一時97ドル近辺まで上昇した。

国際エネルギー機関(IEA)は11日、過去最大となる計4億​バレルの備蓄協調放出で全32カ国が一致したと発表した。協調放出は、ロシアのウクライナ侵攻後の2022 年春以来約4年ぶりで、規模は過去最大だった当時の2倍超となる。ただ、市場では4億バレルの放出が実現されるのか懐疑的な見方が根強いほか、放出規模は不十分との観測も あり、供給途絶への懸念から相場が再び100ドルの大台に乗せるとの警戒感がくすぶっ ている。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 159.33/159.

36

始値 158.70

高値 159.43

安値 158.58

ユーロ/ドル NY終値 1.1510/1.15

13

始値 1.1557

高値 1.1566

安値 1.1511

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 97*31.0 4.8795

0 %

前営業日終値 98*10.5 4.8560

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*29.0 4.2609

0 %

前営業日終値 99*11.0 4.2060

0 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 98*11.5 3.8661

0 %

前営業日終値 98*23.5 3.7820

0 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.1 3.7386

3 %

前営業日終値 99*16.2 3.6360

5 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 46677.85 -739.42 -1.56

前営業日終値 47417.27

ナスダック総合 22311.98 -404.16 -1.78

前営業日終値 22716.14

S&P総合500種 6672.62 -103.18 -1.52

前営業日終値 6775.80

COMEX金 4月限 5125.8 ‐53.3

前営業日終値 5179.1

COMEX銀 5月限 8511.2 ‐42.3

前営業日終値 8553.5

北海ブレント 5月限 100.46 +8.48

前営業日終値 91.98

米WTI先物 4月限 95.73 +8.48

前営業日終値 87.25

CRB商品指数 365.0331 +10.064

5

前営業日終値 354.9686

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米税関当局、関税還付巡り「4段階方式」で進める仕組

ビジネス

アドビのCEO退任へ、AI戦略懸念で株価下落

ワールド

トランプ氏「原油高は米の利益」、イラン核保有阻止が

ワールド

米上院、手頃な価格住宅法案を可決 下院で審議へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 5
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 6
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 7
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 10
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中