ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(11日)ダウ・S&P続落、ドル上昇、2年債利回り5カ月ぶり高水準

2026年03月12日(木)06時51分

<為替> 終盤‌のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロと円に対して上昇した。この日‌はイランによる新たな攻撃でタンカーやエネルギー貯蔵施設が被害を受けるなどしたため、中東紛争の激化を巡​って投資家は依然として神経質になっている。ドルは2月末以降、安全資産への逃避から対ユーロで約2%上昇している。

ドルは 対ユーロで0.4%上昇した。ドル/ 円JPY=は0.5%上昇し158.90円となった。

ロンドンのバリンジャー・グループの外為市場アナリスト、カイル・チ⁠ャップマン氏は「イラン戦争とエネルギー価格への影響は依然​として外為市場の主な焦点だ。イランがホルムズ海峡の船舶を攻撃し、機雷敷設を試みているため、戦争の早期終結への楽観論は再び薄れつつあるようだ」と指摘した。

米労働省が11日発表した2月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、1月の伸び率と一致した。しかし、エネルギー価格の高騰を受けて、トレーダーらはこれらのデータよりも、今後数カ月間のインフレに対する懸念に注目した。

投資家らは、今後数カ月でインフレ率が急上昇すれば、連邦準備理事会(FRB)による追加利下げは困難になると指摘した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが上昇した。原油高を背景にインフレ懸念が高⁠まる中、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が後ずれしたことで、2年債利回りは5カ月ぶりの水準に上昇した。

労働省が朝方発表した2月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇、前月比0.3%上昇。中東情勢の緊迫化を背景にガソリン価格が上昇し、米国の物価は押し上げられるとみられている。

INGの米州リサーチ兼グローバル金利・債券戦略責任⁠者、パドレイ​ク・ガービー氏は「2月のCPIはすでに過去のものだ」とし、「米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃など、現在起きていることを踏まえると、物価上昇圧力は増していく」との見方を示した。

中東での攻撃の応酬が長期化するとの懸念から、市場ではFRBが追加利下げに動く時期の予想は9月に後ずれ。戦闘が長期化すれば、原油高で経済成長が一段と下押しされるとの懸念も出ている。

モルガン・スタンレーのエコノミストは、「原油高による総合インフレ率の上昇をFRBが一時的なものと見なすことが前提」とした上で、年内の利下げ回数は2回になると予想。同時に、需要が予想以上に減速すれば、大幅な利下げに踏み切る可能性もあるとした。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が続落して取引を終えた。米国とイスラエルによるイラン軍事作戦の激化とその影響が材料視された。朝方発表された米消費者物⁠価指数(CPI)はほぼ予想通りの内容となった。

石油供給を巡る懸念が綱引きする中、ほぼ終日不安定な展開となった。ホルムズ海峡付近で船舶への‌攻撃が続く一方、国際エネルギー機関(IEA)は加盟国による4億バレルの戦略石油備蓄放出で合意した。

半導体株が買われ、ナスダック総合は小幅に上昇して取引を終えた。

米労働省が発表し⁠た2月の消費者物価指⁠数(CPI)は前年比2.4%上昇し、1月の伸び率と一致した。米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%まで0.5%ポイント以内に入ったが、インフレを加速させる恐れのあるイラン紛争開始前のデータであることから、市場は反応薄だった。

イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」の広報担当者が11日、原油価格が1バレル=200ドルに達する覚悟をするよう警告したことを受け、インフレへの警戒感が強まった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、中東情勢の緊迫化を背景とした「有事のドル買い」が続く中で売りが優勢となり、反落し た。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比63.00ドル(1.20%)安の1オンス=5179.10ドル。

主要な石油消費国でつくる国際エネルギー機関(IEA)の‌加盟32カ国は、過去最大の計4億バレルの備蓄協調放出を全会一致で決定した。ただ、米軍が駐留する湾岸諸国やイスラエルは11日もイランからのミサイルや無人機攻撃​にさらされており、10日‌にはアラブ首長国連邦(UAE)にある世界最大規模の製油所が操⁠業を一時停止したとの報道があった。トランプ米大統領は週初に戦闘の早期終結​を示唆したものの、中東情勢を巡る不透明感は払しょくされるには程遠く、原油先物相場は再び上昇。こうした中で外国為替市場では「有事のドル買い」が先行し、ドル建てで取引される金の割高感が生じたことから、金は売りに押される展開となった。

米労働省が11日に発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.4% 上昇した。伸び率は前月から変わらずで、市場予想と並んだ。ただ、中東情勢の悪化を背景とした原油高に加え、「CPIの詳細は今後のインフレ動向について楽観視できないことを示唆している」(RBCエコノミクスの主任米国エコノミスト、マイク・リード氏) との見方から、米連邦準備理事会(FRB)による利下げが後ずれするとの観測も根強い。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク‌商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、反発した。国際エネルギー機関(IEA)加盟国が過去最大の備蓄協調放出を決定したものの、相場の押し下げ効果は見られなかった。中東からのエネルギー供給停滞不安は 払しょくされず、米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比3.80ドル(4.55%)高の1バレル=87.25ドル。5月物は3.97ドル高の86.07ドルだった。

主要​な石油消費国でつくる国際エネルギー機関(IEA)の加盟32カ国は11日、米イスラエルとイランの紛争で高騰⁠する原油価格の安定化を目指し、備蓄を協調放出する措置を全会一致で決定した。規模は過去最大の計4億バレルと、2022年のウクライナ危機時の2倍超に相当。ただ、ロイターによると、これは世界の生産量の約4日分、ホルムズ海峡を通過する原油総量の16日分程度という。

調査会社の分析では、湾岸諸国の石油精製能力のうち、10日までに日量約190万バレルが停止し、製油所稼働率はさらに低下する見込み。また、ホルムズ海​峡やその付近で、 貨物船など3隻が新たに攻撃を受け、戦闘開始以来少なくとも14隻が被害を受けたもよう。イランが機雷敷設を始めたとされる中、米海軍は現状リスクが高過ぎるとして、海運業界からのタンカー護衛の要請を拒否しているとも伝わり、長期の供給停滞不安から買いが再燃した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 158.94/158.

96

始値 158.29

高値 158.97

安値 158.26

ユーロ/ドル NY終値 1.1566/1.15

68

始値 1.1607

高値 1.1612

安値 1.1562

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 98*00.0 4.8775

0 %

前営業日終値 99*20.5 4.7720

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*05.5 4.2277

0 %

前営業日終値 99*29.0 4.1360

0 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 98*20.7 3.8009

5 %

前営業日終値 99*01.0 3.7150

0 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*15.2 3.6526

5 %

前営業日終値 99*20.2 3.5690

5 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 47417.27 -289.24 -0.61

前営業日終値 47706.51

ナスダック総合 22716.14 +19.03 +0.08

前営業日終値 22697.10

S&P総合500種 6775.80 -5.68 -0.08

前営業日終値 6781.48

COMEX金 4月限 5179.1 ‐63.0

前営業日終値 5242.1

COMEX銀 5月限 8553.5 ‐405.7

前営業日終値 8959.2

北海ブレント 5月限 91.98 +4.18

前営業日終値 87.80

米WTI先物 4月限 87.25 +3.80

前営業日終値 83.45

CRB商品指数 354.9686 +6.9362

前営業日終値 348.0324

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米・チリ、レアアースなど重要鉱物巡る協議開始で合意

ワールド

原油先物下落、米がロシア産石油購入を30日間許可

ビジネス

金融市場に大きな変動、 極めて高い緊張感持って注視

ワールド

米、各国のロシア産石油購入を30日間容認 エネ市場
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 5
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 6
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 7
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 10
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中