インタビュー:報酬最大6000万円で勝負、アクティブ運用人材確保へ=窪田・三菱UFJ信託社長
写真は三菱UFJ信託銀行の窪田博社長。 都内で2月6日撮影。REUTERS/Miho Uranaka
[東京 12日 ロイター] - 三菱UFJ信託銀行の窪田博社長はロイターとのインタビューで、受託資産のアクティブ運用の強化に向け人材の獲得を本格化させる方針を明らかにした。外部から実力のあるファンドマネジャーを呼び込むため、報酬水準を運用成果に応じて最大で年6000万円程度まで引き上げる新たな制度を4月から導入するという。
<外資と競争できるレベルに>
窪田氏は、中長期的に運用に取り組める雇用体系が同社の強みとしつつ「外資系は報酬水準が非常に高く、これまでは人材獲得で勝てなかった」と指摘する。こうした状況に対応するため「量ではなく、本当に腕のある人を採るための器を用意した」と強調した。
一般的にファンドマネジャーや部長クラスでも報酬は2000万円程度で、今回上限とした6000万円は三菱UFJ信託銀行でも役員、場合によっては常務クラスに相当する。窪田氏は、外資系金融機関のトップの水準には及ばないものの「競争力のあるレベル」とみている。
日本市場への関心の高まりと相まって、市場全体の動きに連動するベータを追う運用手法から、運用者の判断で超過収益のアルファを生み出す局面に移りつつある。同社はこれまで弱かったアクティブ分野、特に株式運用を強化する。
採用強化は運用分野だけではない。同社の2025年3月期末の粗利における海外比率は4割を超え、人材面でも社員の4割以上が海外の現地採用者となっている。窪田氏によると、本社機能にもグローバル人材を本格的に取り込むため、海外大学卒の日本人の英ロンドンや米ボストンでの採用プロセスを復活させたという。
<インオーガニックも引き続き追求>
人材育成などのオーガニック成長を基本としつつ、足りない「ミッシングピース」を補う手段として、M&A(合併・買収)などのインオーガニック戦略も引き続き追求する。窪田氏によると、米国を念頭に案件を検討してきたものの直近では条件が合わず見送ったものもあった。現在は、グローバルに事業を展開し米国事業を3割程度含む企業なども対象に検討しており、海外のパイプラインは引き続き精査しているという。
狙うのは海外の資産管理(IS)分野で、中でもオルタナティブ資産は拡大基調にあり、フィー水準が高く運営難度も高いことから同社の強みが生かせる領域とする。加えて、ファンドの設立登記や清算事務などを行うサービスも、海外IS事業との親和性が高い重点分野として位置付ける。
ISでは海外買収によるシナジーを見込む一方、注力領域の一つとする資産運用(AM)については、海外で大きな買収をしても自律性を確保したまま事業を伸ばすことは難しいとしてオーガニック成長を重視する考えを示し、国内のAMには買収検討の余地があると話した。
※インタビューは6日に実施しました。





