テスラ11月米販売台数が4年ぶり低水準、低価格タイプ投入策も不発か
写真はテスラのロゴ。7月23日撮影。REUTERS/Dado Ruvic
Abhirup Roy
[サンフランシスコ 11日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラの11月の米国販売台数は、主力車の本格的低価格タイプ投入にもかかわらず、約4年ぶりの低水準に落ち込んだもようだ。コックス・オートモーティブの推計データをロイターが11日、独占的に入手して判明した。
トランプ政権が9月末にEV購入補助金を廃止して以来、米国のEV売上高は全般的にさえない状況が続いている。こうした中でテスラは10月、需要喚起のためにSUV(スポーツタイプ多目的車)「モデルY」と小型セダン「モデル3」について、従来の基本タイプよりも価格が約5000ドル安い「スタンダード」グレードを投入した。
11月はこのスタンダードが販売を支えると期待されたが、コックスのデータによると実際のテスラ車販売台数は前年同月の5万1513台から23%近く減少して3万9800台と、2022年1月以来の水準に沈んだ。
コックスのステファニー・バルデス・ストリーティー氏はロイターのインタビューで「購入補助金廃止後に販売をてこ入れしてくれると想定していたスタンダードへの需要が物足りなかったことがはっきりした。特にモデル3では、スタンダードが(従来タイプの)プレミアムの販売を奪う現象も起きている」と語った。
昨年初めて年間の納入台数が減少したテスラは、今年もマイナスになる見通し。完全な新型車の投入は電動ピックアップトラック「サイバートラック」が最後で、残りの車種はマイナーチェンジにとどまっている。
コックスのストリーティー氏は「複数のメーカーがより価格の低い車種投入を計画している来年、テスラは重大な課題に直面する」と指摘し、その打開策は完全な新型車の導入以外にないと付け加えた。
テスラは現在、モデルYのスタンダードでローンの金利を最低ゼロにするキャンペーンを展開中。アナリストや投資家は、納車開始からまだ1カ月余りでこうした動きが出てくるのは需要の弱さの表れだと受け止めている。
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