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米、英の医薬品関税をゼロに NHS支出増と新薬価格引き上げが条件

2025年12月02日(火)01時09分

英製薬大手アストラゼネカのロゴ。2025年7月21日撮影。(ロイター/ウミット・ベクタス)

Andrea Shalal Maggie Fick Alistair Smout

[ワシントン/ロンドン 1日 ロイター] - 米国は1日、英国との間で医薬品と医療技術への関税をゼロにする合意を締結したと発表した。条件として、英国による新薬購入価格の引き上げと、英の国家医療制度(NHS)の予算のうち医薬品への支出割合を増やすことが含まれた。

グリア米通商代表部(USTR)代表は声明で「米国と英国は革新的な医薬品について、交渉の結果得られた税率を発表した。これは両国の投資とイノベーションの促進に役立つだろう」と述べた。

それによると、合意に基づき英国は新薬の正味購入価格を25%引き上げる。その見返りとして、英国製の医薬品、医薬品原料、医療技術は、通商拡大法232条に基づく分野別関税の適用除外となる。さらに英国は、26年内に還付率を15%に引き下げることを約束したという。

2人の関係筋によると、この合意は、NHSが新薬の費用対効果を判断する英国国立保健医療研究所(NICE)の価値評価枠組みの大幅な変更を伴うものだったという。NICEの「質調整生存年」は、治療によって患者が健康を維持できる年数ごとにかかる費用を計測したもので、上限は年間3万ポンド(3万9789ドル)となっている。

トランプ米大統領は、米国の医薬品価格を他の先進国と同水準に引き下げる取り組みの一環として、英国および欧州諸国に対し、米国製医薬品の購入を増やすよう圧力をかけている。

ロイター
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