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景気判断「緩やかに回復」維持、物価高継続の影響などがリスク=11月月例報告

2025年11月26日(水)17時18分

都内で7月撮影。REUTERS/Issei Kato

Tetsushi Kajimoto

[東京 26日 ロイター] - 政府は26日に公表した11月の月例経済報告で、景気の基調判断を「緩やかに回復している」で据え置いた。9月以降、3カ月連続で同じ表現となった。個別項目では「輸入」を下方修正した。先行きは米国関税政策の影響に加え、物価高の継続が個人消費に及ぼす影響を景気の下押しリスクとして挙げた。

今月21日に閣議決定した「総合経済対策」については、裏付けとなる今年度補正予算を早期成立の上、関連施策を速やかに実行する、とした。

米通商政策の影響に関し、内閣府は、足元で米国向け財輸出に持ち直しの兆しがみられると分析。米関税措置の発動後に大きく引き下げられていた米国向け乗用車の輸出価格も、9月の関税率引き下げなどを背景に反転の兆しがみられるという。

経済報告の個別項目で輸入は「おおむね横ばいとなっている」とし、先月までの「持ち直しの動きがみられる」から下方修正した。下方への見直しは9カ月ぶり。

また、国内企業物価を「このところ緩やかに上昇している」とし、先月までの「横ばい」から2カ月ぶりに表現を変更した。企業物価は輸入物価に連動して上下することが多かったが、足元は輸入物価が下落傾向にある中、国内の需給要因を主因として上昇する傾向がみられるという。

個人消費、設備投資、輸出をはじめ他の主要項目では、基調判断や文言の修正は加えなかった。個人消費や設備投資は「底堅く」、7-9月期の国内総生産(GDP)が6四半期ぶりのマイナス成長だったものの、景気の緩やかな回復が続いている、と内閣府はみている。

金融政策については、政府・日銀が引き続き緊密に連携し、経済・物価に対応し機動的な政策運営を行っていくとし、日銀には適切な金融政策運営で2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を期待すると繰り返した。

※〔表〕月例経済報告の景気判断の推移は下記リンクをクリックの上、ご覧ください。

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