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高級ブランドのリシュモン、7―9月期は14%増収

2025年11月17日(月)13時58分

2023年3月11日、ロンドンにあるカルティエの店舗に並ぶ人々。REUTERS/Henry Nicholls

John Revill Tassilo Hummel

[チューリヒ 14日 ロイター] - 高級ブランド「カルティエ」などを展開するスイスのリシュモンが14日発表した2025年7─9月期決算の売上高は、為替変動の影響を除いたベースで前年同期比14%増の52億1000万ユーロ(60億8000万ドル)となった。ビジブル・アルファがまとめた市場予想の7%増を大きく上回った。

中国市場の需要改善と北米市場の堅調な販売が押し上げ、トランプ米大統領による輸入品への関税強化や、金価格高騰のマイナス影響を打ち消した。リシュモンの好調な売上高はLVMHやエルメスなど他の高級ブランドに見受けられる前向きな兆しと一致しており、高級ブランド業界のより広範な見通しの改善を指し示している。リシュモンによると、中国の売上高がプラスに転じたのはほぼ2年ぶり。

ヨハン・ルパート会長は決算発表後の電話会議で、中国は需要改善の「初期的な兆候がある程度」見られると述べ、完全な回復を語るには時期尚早だと警告した。

中国を中心とするアジア太平洋地域は、為替一定ベースで売上高が10%増えた。

同時に発表した上半期決算(25年4―9月)の純利益は18億1000万ユーロとなり、前年同期より13億5000万ユーロ増。幹部は、トランプ関税の上半期の利益に対する影響は軽微だったと説明した。

しかし、税率が変更されなければ下半期決算(25年10月―26年3月)では影響が拡大し、通期で3億ユーロ(約3億5000万ドル)の打撃となる可能性があるとしている。

リシュモンは金価格が高騰し、スイス・フランが米ドルと中国人民元に対して上昇しているため利益率が圧迫されている。ドイツ銀行のアナリストは顧客向けのメモで「今回の決算でこうした懸念の一部が解消されるだろう」と指摘した。

リシュモンはクリスマスシーズンの商戦に「強い期待と希望」を持っているとコメントした。

ロイター
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