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米共和党州司法長官、ユニオン・パシフィックのノーフォーク・サザン買収に懸念

2025年11月17日(月)13時46分

8月5日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

David Shepardson

[ワシントン 14日 ロイター] - 米国の9人の共和党州司法長官は14日、米鉄道会社最大手ユニオン・パシフィックが小規模な競合会社ノーフォーク・サザンを850億ドルで買収し東海岸から西海岸まで運行する米国初の貨物鉄道事業者を創設する計画について、競争上の懸念があると表明した。

テネシー州のジョナサン・スクルメッティ司法長官とカンザス州のクリス・コバック司法長官が率いるこのグループにはオハイオ、フロリダ、ノースダコタ、サウスダコタ、ミシシッピ、モンタナ、アイオワの各州の司法長官も加わっている。ロイターが確認した鉄道監督機関の米陸上交通委員会(STB)宛ての書簡で、この取引について「競争を阻む過度な市場集中を招き、価格の上昇、信頼性の低下、技術革新の減少を引き起こし、米国の製造業者、最終的には消費者に不利益をもたらす」との見解を示した。

各州の司法長官は合併すれば国内輸送のコストが上昇し「米国企業が外国メーカーと競争する能力を損なう恐れがある」と指摘した。また「この合併の下流部門に対する影響は産業基盤だけでなく農業生産者にも重大なリスクをもたらす。最終的には、この合併が米国の安全保障を損なう可能性がある」と警告した。

両社は同日、株主の99%以上が合併に賛成票を投じたと発表した。STBの審査は12―18カ月かかる可能性がある。

ユニオン・パシフィックは米西部の貨物鉄道事業で強く、ノーフォーク・サザンは東部の主要鉄道会社の一角を占め、両社はBNSF鉄道とCSXとともに米国の4大鉄道会社の2社だ。

ロイター
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