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中国人民銀、緩和的金融政策を維持へ 経済リスクに対応

2025年11月11日(火)22時38分

2025年5月7日、北京の中国人民銀本部前で撮影。REUTERS/Tingshu Wang

[北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は11日、第3・四半期の金融政策報告を公表、経済が依然リスクと課題に直面しており、「適度に緩やか」な金融政策を維持し、流動性を潤沢に保ちながら政策伝達を改善する方針を示した。

流動性を十分に保ちながら物価を妥当な水準に維持、銀行の負債と社会的融資のコストを引き下げるという。

中国は今週、各種統計を発表する予定だが9月よりも弱くなると予想されており、内需低迷と米国関税により、経済が勢いを失っていることを示すとみられている。

人民銀は、経済・金融情勢の変化に応じてカウンターシクリカルとクロスシクリカル政策を調整するとともに、海外中銀の金融政策の変化を見極めるとした。詳細には説明しなかった。

その上で「現在、外的な不安定要素や不確定要素が多く、国際経済・貿易秩序は深刻な課題に直面している」と指摘。

「世界経済の成長モメンタムは不十分で、主要国は異なった経済状況を示しており、中国経済は依然として多くのリスクと課題に直面している」との見方を示した。

人民銀は、政策金利と市場金利、銀行の預金金利と貸出金利など様々な種類の金利間の合理的な均衡を維持するとし、「合理的な金利の均衡維持は金融政策の効果的な伝達に不可欠」とした。

中国当局は今年、米国との貿易戦争や長期化している不動産危機にもかかわらず積極的な景気刺激策を控え、人民元水準を維持。輸出が底堅いこともあり金利は5カ月にわたり横ばい状態だ。

最近は的を絞った財政政策支援策を発表したが、人民銀が年内に利下げなどの追加緩和策を実施するかどうか、アナリストの間で意見が分かれている。

ロイター
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