NY外為市場=ドル上昇、FRB12月の追加利下げに不透明感
        	ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が12月の会合で追加利下げを決定するか不透明感が高まる中、ドルがユーロや円などの主要通貨に対し上昇した。5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が12月の会合で追加利下げを決定するか不透明感が高まる中、ドルがユーロや円などの主要通貨に対し上昇した。ただ米国ではなお政府機関の一部閉鎖で主要な経済指標の発表が滞っており、経済の実態を推し量るのが難しくなっているため、ドルにはリスクがなお残っているとの見方も出ている。
終盤の取引でドル/円は0.1%高の154.19円。日米の金利格差が引き続き注目されている。
FRBは10月28─29日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定。パウエルFRB議長は政府機関の一部閉鎖が続く中で指標の不足により経済の実態を巡る不透明感が払拭されなければ、これが今年最後の利下げになる可能性を示唆した。
この日はFRB当局者の発言が相次ぎ、シカゴ地区連銀のグールズビー総裁が米国のインフレ率はFRBが目標とする2%をなお大きく上回っていると指摘し、追加利下げを急がない考えを示したほか、クックFRB理事が12月の次回会合には政策変更もあり得る「ライブ会合」になるとの見方を示すと同時に、連邦政府機関の一部閉鎖で経済指標の発表が滞る中、次回会合まで幅広い情報源から得られる情報に基づいて判断していくと表明。先週のFOMCで0.5%ポイントの利下げを主張し、決定に反対票を投じたのミランFRB理事は、景気を刺激せずも冷やしもしない「中立」的な金利水準は現行政策より「かなり下」にあると推定されるとし、政策金利が中立水準に達するまでFRBは0.5%ポイントの幅での利下げを続けるべきとの考えを変えていないと述べた。
スコシアバンクのチーフ外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「12月の次回会合で追加利下げが決定されるか、かなりの疑念が生じている」と指摘。「長年にわたり市場に関わってきたが、政策見通しを巡るFRB当局者の見解の不一致がこれほど大きかったことは記憶にない」と述べた。
市場が現在見込む12月の会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は約70%。1週間前は約94%だった。
終盤の取引でユーロ/ドルは0.1%安の1.152225ドル。一時1.1505ドルと、8月1日以来の安値を付けたが、米供給管理協会(ISM)発表の10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が悪化したことを受け、ユーロは対ドルで下げ幅を縮小した。
英ポンド/ドルは0.1%安の1.3133ドル。イングランド銀行(英中央銀行)は6日に開く金融政策委員会で0.25%ポイントの利下げを決定するとの見方も出ているが、市場が見込む確率は約3割程度にとどまっている。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.6%安の10万7152ドル。
ドル/円 NY午後3時 154.17/154.22
始値 154.15
高値 154.29
安値 153.94
ユーロ/ドル NY午後3時 1.1519/1.1521
始値 1.1514
高値 1.1537
安値 1.1506





