マツダと日鉄、車体開発初期から連携 鋼材集約発注でコスト削減

マツダは23日、日本製鉄と車体開発で連携すると発表した。写真は同社ロゴ。7月15日、広島県府中町で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Maki Shiraki
[東京 23日 ロイター] - マツダは23日、日本製鉄と車体開発で連携すると発表した。従来よりも初期段階となる商品企画・デザインから日鉄が参画し鋼材を集約して発注することで、無駄を省き開発期間の短縮につなげる。米国の関税措置により費用がかさむ中で、サプライチェーンを見直し原価低減を図る。
説明会を行ったマツダの鷲見和彦常務執行役員によると、日本車メーカーではこうした取り組みは初めて。
従来はマツダが部品ごとに鋼板を選定して複数の鉄鋼メーカーから個別に発注していたが、今後は企画段階から参画する日鉄と両社で材料を選んで車両1台分をまとめて発注する。これにより、マツダは部材を最適化させるほか、3─4年かかっていた車体の開発期間を1年半程度に短縮する。日鉄は注文量は減るが、早期の生産計画立案により生産効率向上とコスト削減が可能になる。
鷲見常務は、これまでは「その時々の見積もり価格の高低による受注を繰り返していたが、ビジネスの不安定につながり、無理・ムラ・無駄を引き起こし、原価低減の足かせとなっていた」と説明。「鉄を最も知り尽くした」日鉄と集約発注を行うことで、「原価低減の幅を広げる」と期待感を示した。
第1弾の連携として、年末から欧州で発売するスポーツ多目的車(SUV)「CX━5」の開発に取り組んだ。具体的なコスト削減額は非公表だが、衝突安全性などの性能は維持しつつ、鋼材重量を前モデルに比べて1割減らした。両社は対象車種を今後、増やしていく。
マツダは2027年3月期末までに原価と固定費をそれぞれ1000億円ずつ削減する目標を掲げている。