米高官、AI半導体の密輸リスク重視せず 中国の進歩に警戒

6月10日、米ホワイトハウスの人工知能(AI)・暗号資産(仮想通貨)責任者(Czar)デービッド・サックス氏(写真)は、米国製AI半導体が悪意ある者に密輸されるリスクを重要視しない姿勢を示し、AI規制を厳しくしすぎると成長が阻害され、重要な市場を中国に譲り渡すことになるとの懸念を示した。3月7日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[ワシントン 10日 ロイター] - 米ホワイトハウスの人工知能(AI)・暗号資産(仮想通貨)責任者(Czar)デービッド・サックス氏は10日、米国製AI半導体が悪意ある者に密輸されるリスクを重要視しない姿勢を示し、AI規制を厳しくしすぎると成長が阻害され、重要な市場を中国に譲り渡すことになるとの懸念を示した。
「われわれはこれらのチップについて、ブリーフケースの奥に隠して持ち運べるかのように話しているが、実際はそうではない。これらは高さ8フィート、重さ2トンのサーバーラックだ」と、ワシントンで開催されたAWSサミットで語った。
「外に出ることはない。あるべき場所にあることを確認するのは基本的に非常に簡単だ」と述べた。
この発言はトランプ大統領のAIに対するアプローチが、米国製AI半導体やAIモデルの海外市場拡大に焦点を当てたものになる可能性を示している。バイデン前大統領は、中国が半導体を入手し軍事力強化に使用するリスクに対抗する政策を重視していた。
サックス氏は、中国がAIモデルで重要な進歩を遂げており、米国のAIイノベーションに対するハードルを取り除くことが急務だと指摘。
「中国はAI分野でわれわれに何年も遅れているわけではない。3カ月から6カ月程度だろう。非常にわずかだ」と語った。
ホワイトハウスはその後、サックス氏が中国のAIモデルについて言及したと説明。中国のAI半導体は米国製と比べて1─2年遅れていると述べた。