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マネーストックM3、4月は前年比0.1%増 18年ぶり低い伸び

2025年05月13日(火)10時41分

 5月13日、日銀が発表した4月のマネーストック速報によると、M3は前年比0.1%増と前月(0.4%)からプラス幅が縮小し、2007年5月以来の低い伸びとなった。写真は円紙幣。2011年8月撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)

Tetsushi Kajimoto

[東京 13日 ロイター] - 日銀が13日に発表した4月のマネーストック速報によると、M3は前年比0.1%増と前月(0.4%)からプラス幅が縮小し、2007年5月以来の低い伸びとなった。残高は1614兆3000億円と前月比で3カ月ぶりに増加し、過去最高を更新したが、季節調整済みの残高では1605兆6000億円と3カ月連続で減少した。

物価高のなか、個人の名目ベースの消費支出が緩やかに増加を続けているほか、貸し出しの伸びが前年の大型案件の反動もあって低下した。

M2は前年比0.5%増と3月の0.8%からプラス幅が縮小し、前年比で06年10月以来の低い伸びだった。残高は1265兆9000億円と2カ月連続で増加し既往ピークを更新したが、季節調整済み残高は3カ月連続で減少し、1256兆3000億円となった。

内訳では、現金通貨が前年同月比でマイナス2.6%となった。下落率は前月から横ばいだったが、統計開始以来最大のマイナスとなった前年12月のマイナス2.7%に近い減少ペースだ。現金保有の大宗を占める家計部門でキャッシュレス化が進展し、手元現金を下押ししていることが背景とみられると日銀では分析している。

預金通貨も前年比0.5%減のマイナスに転化した。

準通貨(定期預金等を含む)は前年比プラス2.3%と2010年3月以来の高い伸び率。金利の上昇で、普通預金から定期預金へのシフトが起こっている。

広義流動性は前年比2.0%増で前月より鈍化した。円高の影響もあり、外債の伸び率が前年比プラス9.0%と前月から縮小した。

*日銀の発表資料は以下のURLをダブルクリックして下さい。

マネーストック: http://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms2504.pdf

ロイター
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