EU、米英貿易合意の影響を分析=欧州委通商担当

5月12日、 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(写真)は、トランプ米大統領が導入を表明した「相互関税」を巡り米国と英国の貿易交渉が先週合意したことについて、EU加盟国と世界貿易への影響を分析していることを明らかにした。ベルギー・ルーベンで2024年4月代表撮影(2025年 ロイター)
[ブリュッセル 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商政策担当)は12日、トランプ米大統領が導入を表明した「相互関税」を巡り米国と英国の貿易交渉が先週合意したことについて、EU加盟国と世界貿易への影響を分析していることを明らかにした。
ドムブロフスキス氏は、米英の合意について「私たちは現在、その内容を綿密に分析」し、「EUの利益や、世界のより広範な貿易環境への影響を中心に評価している」と表明した。
米国は27カ国で構成するEUからの輸入品の大部分に20%の関税をかけ、鉄鋼とアルミニウム、自動車・部品には25%の関税を課すと表明しており、EU側と交渉を進めている。
米国は7月8日までの90日間を交渉期限としている。それまでは鉄鋼とアルミ、自動車に対する25%の関税を除くEUからの大部分の輸入品に10%の関税を適用している。
ドムブロフスキス氏は「EUと米国の交渉は進行中であり、私たちはこの90日間を(中略)交渉による解決に活用することを目指している」とした一方で、EUは合意に達しなかった場合の対応も用意していると言及。欧州委員会は今月8日、トランプ氏による関税強化が米国との交渉で撤廃されない場合、最大で950億ユーロ(1070億ドル)相当の米国からの輸入品に報復関税を課すことを提案した。
米英両国は8日、米国が英国から輸入する自動車と鉄鋼に対する関税を引き下げ、双方が農業市場へのアクセスを改善することなどで合意したと発表した。