ニュース速報
ビジネス

ユーロ圏製造業PMI、4月改定49.0 32カ月ぶり高水準

2025年05月02日(金)18時42分

 S&Pグローバルがまとめた4月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.0と、32カ月ぶりの高水準となった。写真は、ドイツの航空会社の工場。2024年10月、ドイツのガウティングで撮影(2025年 ロイター/Angelika Warmuth)

[ロンドン 2日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた4月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.0と、32カ月ぶりの高水準となった。生産の拡大ペースが加速した。

好不況の分かれ目となる50は依然下回っているが、域内の3大経済国であるドイツ、フランス、イタリアに改善の兆しが見られた。

3月は48.6だった。

ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は「4カ月連続の上昇で、製造業が安定しつつあるサインだと判断できる。ここ数カ月の多くの不確定要素やショックを踏まえると驚きだ」と述べた。

生産指数は3月の50.5から51.5に上昇し、2022年3月以来の高水準。需要の低迷にもかかわらず、2カ月連続で生産が増加した。

新規受注は引き続き減少したが、減少ペースは過去3年間で最低。新規受注指数は49.5と、中立の50に近づいている。

ただ、海外受注は新規受注全体よりも早いペースで減少した。

ドイツ、フランス、イタリアの製造業PMIはいずれも上昇したが、依然50を下回っている。ギリシャが53.2でトップ、アイルランドが53.0で続き、オーストリアは46.6で最下位だった。

同氏は「製造業がほぼ安定したのは、4月にドイツとフランスで生産が上向いたことが背景だ。イタリアは再び50を超える水準に向かおうとしている」と述べた。

雇用は23カ月連続で減少したが、減少ペースは昨年6月以来の低水準だった。

企業の利益率は上昇。投入コストが昨年11月以来初めて低下する一方、産出価格の上昇ペースは2年ぶりの高水準だった。

企業の信頼感は今年最低の水準に低下。生産は改善傾向にあるが、警戒感が根強いことが浮き彫りになった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮

ワールド

トランプ氏誕生日に軍事パレード、6月14日 陸軍2

ワールド

トランプ氏、ハーバード大の免税資格剥奪を再表明 民
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中