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中国政府系ファンドCIC、米PE投資10億ドルを売却へ=関係筋

2025年04月30日(水)14時25分

 4月30日、中国政府系ファンドの中国投資(CIC)がプライベートエクイティ(PE)投資ポートフォリオのうち約10億ドルを流通市場で売却すると関係者2人が明らかにした。2023年撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Kane Wu

[香港 30日 ロイター] - 中国政府系ファンドの中国投資(CIC)がプライベートエクイティ(PE)投資ポートフォリオのうち約10億ドルを流通市場で売却すると関係者2人が明らかにした。

対象資産はブラックストーンやカーライル・グループなど米投資ファンド8社が運用する複数のファンドで保有されているという。

関係者によると、CICは米投資銀行エバーコアをアドバイザーに起用し、6月末までの売却完了を目指している。

ただ、別の関係者によると、売却する資産の総額や期限は固定的ではなく、市場の関心や価格次第で変わる可能性があるという。

ブラックストーンとカーライルはコメントを控えた。CICとエバーコアはコメント要請に応じていない。

関係者によれば、CICは投資ポートフォリオを最適化する取り組みの一環として、2024年後半にアドバイザーや資産運用者と売却の検討を始めた。10億ドルの資産は当初2016、17年にPEファンドに投資されたもので、投資サイクルの終わりに近づいているという。

しかし、市場ではこのところ、特に米中間の貿易・地政学的な緊張で動揺が生じ、不確実性が高まっている。こうした緊張は金融セクターにも波及し、米中は相手国の金融機関による一部投資に対する監視を強めている。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は先週、CICなど中国の政府系ファンドが同国政府の圧力を受け、米PE企業への新規投資を停止していると報じた。

ロイター
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