ニュース速報
ビジネス

サムスン、第3四半期営業利益は前期下回る AIブーム享受に苦戦

2024年10月31日(木)10時34分

10月31日、 韓国サムスン電子が発表した第3・四半期決算は、営業利益が9兆2000億ウォンと前年同期の2兆4000億ウォンから増加したものの、前四半期の10兆4000億ウォンを下回った。写真はソウル街頭に掲示されたサムスンのスマホの広告。1月撮影(2024年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 31日 ロイター] - 韓国サムスン電子が31日発表した第3・四半期決算は、営業利益が9兆2000億ウォン(66億6000万ドル)と前年同期の2兆4000億ウォンから増加したものの、前四半期の10兆4000億ウォンを下回った。

人工知能(AI)ブームの波に乗る競合他社に後れを取っていることが背景。

営業利益は同社が今月上旬に示した見通し(9兆1000億ウォン)をやや上回った。ただ、この見通しはアナリスト予想を下回っていた。

第4・四半期の利益見通しについては、半導体部門の成長がスマートフォン、テレビ、家電製品を手がける「セット部門」の弱さに相殺されるため伸びは限定的になると見通したが、詳細は明らかにしなかった。

同社は今月8日、主要顧客への最新半導体の供給遅延などを背景に業績が低迷していることについて異例の謝罪を行っていた。

半導体市場においてAIは唯一の明るい要素だが、サムスンは米エヌビディアがAIチップセットに採用する高性能半導体の供給に苦戦。このため、サムスンはパソコンやスマートフォン向け従来製品の需要低迷の影響を受けやすくなっている。

半導体部門は営業利益が3兆9000億ウォンと、前年同期の3兆8000億ウォンの赤字から黒字に転じた。ただ、前期の6兆4500億ウォンからは減少。市況回復の勢いが依然として弱かった。

同社は第4・四半期の半導体需要も同様のトレンドを見込むとした。

競合する韓国SKハイニックスは第3・四半期の営業利益が7兆ウォンとなり過去最高を更新。台湾積体電路製造(TSMC)も同期に好調な業績を上げている。どちらもエヌビディアへのAI用半導体の販売が寄与した。

サムスンは主力の半導体メモリーとロジック半導体を扱うファウンドリー(受託生産)の両事業で劣勢に立たされている。ファウンドリーは第3・四半期に赤字が拡大したとアナリストは指摘する。

携帯端末部門は営業利益が2兆8000億ウォンと、前年同期の3兆3000億ウォンから減少した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英失業率、8─10月は5.1%へ上昇 賃金の伸び鈍

ビジネス

三菱UFJFG社長に半沢氏が昇格、銀行頭取は大沢氏

ワールド

25年度補正予算が成立=参院本会議

ビジネス

EU、35年以降もエンジン車販売を容認する制度検討
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中