ニュース速報
ビジネス

ファーストリテ、今期営業益も過去最高へ 前期売上高は初の3兆円台

2024年10月10日(木)18時49分

 10月10日、ファーストリテイリングは、2025年8月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年比5.8%増の5300億円となる見通しと発表した。写真はユニクロのロゴ。都内で2013年4月撮影(2024年 ロイター/Yuya Shino)

Maki Shiraki

[東京 10日 ロイター] - ファーストリテイリングは10日、2025年8月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年比5.8%増の5300億円となる見通しと発表した。4年連続で過去最高を見込む。主力ブランド「ユニクロ」の海外事業を中心に世界での事業拡大が寄与する。IBESがまとめたアナリスト14人の予想平均値5177億円を上回る。前期は売上高に当たる売上収益が3兆円、営業利益が5000億円を初めて突破した。

24年8月期(前期)の連結決算は、営業利益が前の年に比べ31.4%増の5009億円、売上収益は同12.2%増の3兆1038億円だった。欧米を中心に海外販売が好調となり営業利益、売上収益とも3年連続で過去最高を更新した。

同社は33年にも売上収益10兆円の達成が目標。柳井正会長兼社長は会見で「売り上げを毎年5000億円ずつ伸ばせば、数年のうちに5兆円に届く。世界市場の環境、会社の潜在力はそれが可能なステージに来ている」と説明、「10兆円を目指し、将来に向けて具体的な計画と準備を進めている」と述べた。「北米と欧州で売上高ナンバーワン、1兆円が見えている感触がある」とも語った。

柳井氏はまた、息子2人には創業家として「企業のガバナンスを担ってもらいたい」と言い、公開企業でありつつもしっかりした創業家が存在することで「双方の良いところを発揮できるバランスのとれた経営をしたい」と述べた。賃上げについては、ベースアップは「考えていない。社員1人ずつ(の才能や能力)が正当に評価されることが大事。一律何%というのはおかしい」と指摘した。

事業別での今期予想は、国内ユニクロ事業が若干の増収増益、海外ユニクロ事業は大幅な増収増益、ジーユー事業とグローバル事業は増収増益。今期予想の前提為替レートは、8月末のレートである1ドル=144.9円、1人民元=20.4円とした。今期の配当予想は中間・期末とも225円、年間で前期比50円増配の450円。

岡崎健最高財務責任者(CFO)は、前期は「収益の柱の多様化が加速し、世界全体で稼ぐ体制がより強固になった」と指摘。ユニクロの知名度が世界で高まり、現地の顧客が拡大したほか、観光客需要も取り込んだという。

岡崎氏はまた、これまでは上期偏重だった利益が「下期もしっかり稼げる体質に変革した」と語った。「戦略的に売れ筋商品の在庫を持ち、ニュースを継続的に発信して下期の売り上げを拡大した」とし、下期に利益が出にくかった欧米のユニクロ事業は営業利益率15%以上を今期も維持する計画という。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中